2015/11/20

毎年「今年は最高の出来」のボジョレー・ヌーボーに辟易している人が読む記事

ワイン業界はいつまでボジョレー・ヌーボーに頼るのだろう。ボジョレー・ヌーボー狂騒曲はバブルの頃の遺産。その遺産も露骨に減ってきた。それなのに毎年「今年は出来がいい」とワイン・インポーターは言っている。そんなメッセージはもう誰にも届いていない。それでも、今年もサントリーからメールが来た。以下に一部引用する。10/22に受信したサントリーのメルマガ。

ボジョレー ヌーヴォーの解禁まであと28日! 2015年のボジョレー ヌーヴォーは、帝王ジョルジュ デュブッフ氏が 「我がワイン人生最良の年!」と太鼓判のグレートヴィンテージ。 デュブッフ氏はワインをつくり始めて約70年。 その最良のヴィンテージとは期待が高まりますね!!

これに対して、ワインに興味のない人の意見は以下のようなものだ。永江さんという腕利きWebコンサルの方のTwitterアカウントより拝借。

もちろんワインに詳しい人なら、ぶどうの育成具合からワインの出来の良し悪しを予想可能なことを知っている。そしてワイン通は「だから素人はこまるなぁ」といった感じに反応する。そしてますますワインに興味のない人をよせつけなくなる。

しかし、ワインに詳しくない人を置き去りにしているという時点で、ワイン業界の課題であるま「だワインを知らない人に振り向いてもらう」というのは難しいと思うんだよね。つまりワイン好き以外の層をなかなか獲得できないってこと。だからいつまでボジョレー・ヌーボーのようなバブル期の遺産に頼ってしまうのでしょう。
ワイン業界をあげてボジョレー・ヌーボーに代わる基軸を立てるくらいの意気込みがないとワイン愛好者は増やせないのに、そういう動きは見られないのが残念でならない。

ワインはキャズムをいかに超えるか

ワインはまだ一般的には市民権を得ていないのが現実で、一部の愛好家が飲むだけだと思う。最近はコンビニで売っているのを見るようになり、昔より店舗の商品棚でワインをみる機会は増えた。でも、ビールや第三のビールくらい気軽に「ワインを飲もう」という人はまだまだ少ない。ワインがより広範な市民権を得るにはこのワイン好きとワインを飲むという選択肢すらない人との間にある深い溝:キャズムを超えないといけない。

キャズムを超えるには新しい価値観をワインに興味がない層に提示しないといけないのに、いまだにボジョレー・ヌーボーに頼っている時点でダメなのだ。

ボジョレーは産地で、ヌーボーは新酒という意味だけど、ボジョレーに限らずワインの新酒はワインを作っているところなら世界中どこにでもある。もちろん日本にもある。日本は山梨の甲州がワイン産地として名高い。最近は欧州に輸出できるくらいにまで品質が高まっていると聞く。で、無理してボジョレー・ヌーボーを運んでこなくても甲州の新酒で良くない?美味しいしわざわざ空輸する必要もない。

空輸してまでボジョレー・ヌーボーは必要か?

ボジョレー・ヌーボーの問題点は空輸であるということ。普通ワインはヨーロッパから日本に運ぶのには船便を使うが、ボジョレー・ヌーボーは新酒で早く飲みたいものだから、無駄に空輸している。だから高い。最低でも小売価格で1000円は違うはず。ボジョレー・ヌーボーなんて現地ならボトル数百円で買えるし、わざわざ盛り上がらない。それが空輸の燃料と関税で値段が跳ね上がる。つまりもともとボジョレー・ヌーボーはそんなに大層なものではないのに、舶来品だからつい買ってしまうわけだ。この発想はまさにバブルから抜け切れていない証拠でしょ。

ボジョレー・ヌーボーという大して美味しくもないワインを地球環境に負荷をかけてまで日本に運んできているわけだから、やっていることが時代にそぐわない。COP21とか温室効果ガスを減らそうとか皆で言っているのにそれに逆らっている。

ワインの新酒が飲みたいなら日本産でいいじゃん

そこで例えば「甲州の新酒を飲もう」と言えば、山梨から全国に運ぶのはそんなに時間がかからないし、環境への負荷も少なくて済む。なにより国産だから日本経済に貢献もできる。また和食が世界的にブームになっている点も注目だ。甲州ワインは和食に合うから、刺し身でも栗ごはんでもいけちゃう。無理してフランスからヌーボーを輸入せずとも日本国内の地産地消で新酒は楽しめるのですよ。

国内でうまいくいけば、次にその成功例や価値観を世界にもっと発信すればいい。そうすると日本がさらに魅力的なワイン市場となっていく。こういった新しい価値観を提示しないと、いつまでも日本のワイン業界は盛り上がらないままなんじゃないかな。

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このブログの筆者

早川朋孝
早川朋孝
ネコ好きな読書家。
月一冊は専門書を読むのが目標。年間読書計画はだいたい決まっているが、だいたい横にそれるのが悩み。好きな作家は塩野七生さん、佐藤優さんなど。タバコ嫌いで、ちょい右寄りです。

仕事はウェブが専門。学生の頃よりウェブ制作に従事し、CMSの提案やアクセス解析が得意。上場企業や、東京オリンピック関連サイトなど大規模ウェブサイトのプロジェクトを多数経験。仕事のウェブサイトはこちら
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