2017/03/24

クラウドソーシングのWeb制作はなぜもめるのか全部ばらします

特に飲食店とか美容室とか、あるいは零細企業などがクラウドソーシングでWeb制作を依頼するともめることが多い。なぜだろう?

まず上記の人たちははっきりいってウェブのリテラシーが低い。Web制作の発注の作法を知らない。こういう場合、発注側も受注側もお互いにイライラして、結果として必ずもめる。何故なら、このような事例の多くの場合、双方が当然だと思っていることに乖離があるからだ。

例えばこんな場面を想定してみよう。あなたが居酒屋の店長だとしよう。店に12人の飲み放題プランの予約をしてきた客がいた。どうやら会社の歓送迎会らしい。さて予約当日、12名の客がご来店。問題はここからだ。開始してから時間が経過し、どうも参加人数が増えているようだ。1名増えてもう1名増えて、、、最後に15名となった。たまたま空席があってキャパに問題はなかったのだが。

さて、請求は12名分か15名分か。

もし私が店長なら、明らかにお客さんのマナー違反だと思うので問答無用で人数分の請求をする。人数が増えた分だけ、飲まれた酒の量が当然増えたからだ。それを真摯に説明する。それで客が納得すればいいが、問題は客側が「12名で予約したから12名分しか払わない」という態度の場合だ。こういう場合もめる。

発注側のリテラシーが低い

ウェブ制作の現場にもこれと似たようなことがよくある。発注側があまりにリテラシーが低く、ウェブ制作側からすると明らかなマナー違反だと思うことを平気でしてくることがある。例えばウェブサイトの素材となる写真や文章を全然渡してこないとか、一度決めたデザインを後から「やっぱり変えて」とか、そんなことだ。リテラシーが低い発注側に問題があるし、なによりそういう人がクラウドソーシングにはそういう人が集まりやすい。

なぜなら、そういう人をクラウドソーシングが集めているからだ。例えばアイミツのWeb制作はアドセンスなどの広告を出していて、ランディングページは以下のようなデザインだ。

「コスパ最大化」、「利用料0円」など刺激的なキャッチコピーが目立つのがわかる。クラウドソーシングという場を提供する側は広告を出して知名度を上げ、利用者を増やしていきたいと考えている。そして手間のかかることはやろうとしない。受注者と発注者がもめてもアイミツ自体が介入してくることはない。そんなをやっても利益にならないからだ。クラウドソーシングというのはそういうビジネスモデルなのだ。

こういった構造を考えると、安く済むからと安易にクラウドソーシングを利用するのは考えものだ。サービスを利用する人は、価格のメリットだけに捕われないで、色々なことに目を向ける必要がある。

受注側は営業力がない

一方で、ウェブ制作をする側にも問題がある場合がある。クラウドソーシングで仕事を探すようなWeb制作会社は腕が悪いとか、ディレクション能力がないとか、営業力がないとか、そんな会社が多い。そんな会社だからクラウドソーシングで仕事を探しているわけなのだが。もちろん、中にはまともなWeb制作会社もあるだろうが、かなり少ないと思われる。というのも、まもともな会社なら各方面から依頼が次から次へとやってくるから、クラウドソーシングで仕事を探す暇なんてないからだ。

クラウドソーシングのWeb制作では熾烈な価格競争が繰り広げられている。自社で仕事がとれないWeb制作会社とか個人事業主が仕事を探し周っているからだ。ある制作案件の募集とかRFPに対して似たような提案で他社と差がつけられない場合、決め手は価格となる。仕事をとるために安く仕事を受注するとか、普通なら拒否するような発注側からの過大な要求に応えるとか、そういうことをする可能性はある。

これでクラウドソーシングのWeb制作でもめる図式がはっきりしてきた。クラウドソーシングにおける炎上案件の多くの場合、以下のようなことが言えるだろう。

  • Web制作発注者:リテラシーが低い、格安につられている
  • Web制作受注者:仕事に困っている

受注者は条件が悪くてもつい仕事を受けてしまうのだ。そういう人はいやいや仕事をやってるから神経質になりがちだ。一方、発注する側は自分がリテラシーが低いなんて考えていないし、安く済まそうと考えている。かくしてWeb制作案件はもめるのだ。さて、これを回避するにはどうすればいいか。

あなたが発注者なら安易にクラウドソーシングを利用して、Web制作を「とにかく安く済ませよう」という発想だと大抵うまくいかない。納期遅れ、低品質のWebデザイン、使い方のわからないCMSの納品などの目に高い確率で遭う。そんなウェブサイトを納品されても早晩放置されることになるのは確実。クラウドソーシングに依頼する際は、安易に価格だけを判断基準にせず、また、金を払うのだからと丸投げせずに最低限自分で考えるべきことは自分で考える。こういった姿勢がないとうまくいかないだろう。

ウェブサイトというのは形がないもので、Web制作は形のないものを具体的に作っていく過程である。そういう意味でスーパーで商品の売り買いをするのとはわけが違う。知識のない人がクラウドソーシングを利用する際は、こういう前提を事前に把握しておく必要がある。

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このブログの筆者

早川朋孝
早川朋孝
ネコ好きな読書家。
月一冊は専門書を読むのが目標。年間読書計画はだいたい決まっているが、だいたい横にそれるのが悩み。好きな作家は塩野七生さん、佐藤優さんなど。タバコ嫌いで、ちょい右寄りです。

仕事はウェブが専門。学生の頃よりウェブ制作に従事し、CMSの提案やアクセス解析が得意。上場企業や、東京オリンピック関連サイトなど大規模ウェブサイトのプロジェクトを多数経験。仕事のウェブサイトはこちら
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