不倫報道が増えている理由とスマホ中毒者の意外な関係

テレビで不倫報道が増えているという。私は他者のそういう事情に対する好奇心は根本的に欠落しているが、世の中にはそうでない人がたくさんいるのだろう。

で、なぜ不倫報道なんてしょうもない報道が増えたのか?

不倫報道が増えた理由

この答えは簡単で、今はテレビ報道に対する反応はネットを使って確認できるので、テレビ局の人は番組の反応をネットで調べているのだ。番組制作者は当然、どんな反応なのか気になるしね。 そしたら不倫報道はウケがいいことが分かったのだろう。「お、不倫報道はおいしいな」と番組プロデューサーが気づいて、不倫ネタがあれば大きく扱うのが定番になったのだろう。

しかし、ちょっと考えれば分かるが、仕事で忙しい人や趣味の多い人などはテレビのげせわな番組なんて当然見ないし、SNSで話題にすることもない。程度の低いネタに喜ぶ人がネットとかテレビ視聴者に多いのは、先日【ネットの炎上を理解する】気軽に読めるネット関連本3冊の備忘録で紹介した「ウェブはバカと暇人のもの」に書いてある通りだ。

要するに、お脳が弱い人の反応が今までより分かりやすくなったため、可視化されたバカの反応につられた番組制作者が視聴率がとれる確率が高いからと読んで、不倫報道が増えているのだ。

世の中の多くの人のニーズではなく、スマホ中毒者のネットでのニーズが可視化されただけ。これが不倫報道が増えた理由

賢い人はこんなおバカなニーズをまき散らさず、自制を持ってネットについて考えて欲しい。そのために役立つ2冊を紹介する。

大人のネットの使い方を勉強する2冊

悪貨は良貨を駆逐するというグレシャムの法則の通り、ネットにはびこるおバカな意見のせいで、ネットの状況はかなりひどいものになっている。不倫報道が増えた理由が新聞で解説さえるなど、ネット以外にまで害をまきちらしている。とはいえ、ネットには利便性もあるし、前向きに活用できないものだろうか。そんなヒントを与えてくれる本が2冊あるので紹介する。

  • ネットでつながることの耐えられない軽さ
  • 僕らが毎日やっている最強の読み方

ネットでつながることの耐えられない軽さ

言葉には話し言葉と書き言葉があるが、今はそこにネット言葉が加わった。ネット言葉は話し言葉に限りなく近いというのが著者の主張だ。要するにネットの軽薄さを嘆いていて、もっと深く考えて生きていきましょうという内容の本。いつもスマホをいじってばかりの若い人にぜひ読んで欲しい。

たしかに、気軽なツイートや友人同士の意味のないLINEでのやりとり、適当に書かれたwikipediaなどは無責任で気軽という観点からすればいずれも同じだ。ネットが登場する前は、書き言葉はその品質を担保する責任者がいる媒体でしか読みなかったのが、ネットでは編集者が不在の記事などが気軽に出回るようになった。ネットでそういう生活をしていると、日常においても影響を受けて発言が軽くなる。

私と他人のことばの壁が曖昧化して、私のことばにたいする所有意識も、やはり曖昧化する。みんなのことばが自分のものに感じられるということは、ひるがえっていえば、自分のことばも自分のものではなくみんなもの。あるいはネット空間に放りだされたあとは、糸の切れた風船のように見えなくなる存在です。

社会をにぎわせている政治家、官僚、芸能人の無責任な放言、失言の数々は、ことばの所有意識の希薄化によるものです。所有意識の希薄化は同時に責任を放棄することにもつながるのです。

p201

この問題を解決するには、スマホでネットに常時つながるをやめるのが一つの方法だ。そして新聞とか本を読む。そういう地道な努力をコツコツするしかない。以下が本書の結論なのだけれども、軸足がスマホではないことは、ここまで読んだあなたならおわかり頂けるだろう。

自己を支えることばの軸足をどこに置くかということです。それは思考するさいの立ち位置といっていいでしょう。

p229

僕らが毎日やっている最強の読み方

次に紹介するのはちょっとベタな本。佐藤優さんと池上彰さんの共著。かなりライトだが実用的な本。二人の新聞とか本の読み方を紹介する内容なのだが、その中の一章がネットの使い方に割かれている。やっぱり、いつもスマホばかり使っている若い人にこの章だけでも読んで欲しい。

池上 先日、東京大学で講義したとき、同行したテレビ局のプロデューサーが面白いことに気づいたんです。「歩きスマホをしている東大生をひとりも見ない」と。名前は出しませんが、ある大学に行ったときは、ほとんどの学生が歩きスマホをしていたそうです。それから意識して東工大でも観察していますが、大岡山キャンパスでも歩きスマホをしている学生はまず見かけません。

p178

ネットには編集と校閲という重要な2つの機能が欠如していることは、上の本でも書いたとおり。佐藤優さんと池上彰さんもこのネットの問題を指摘している。さらに、ネットにはプリズム効果があると説く。俗に言うエコー・チェンバーだ。

ネットでは自分の興味のあるものにしか触れないで済む。広告も検索結果もポータルサイトも、過去の閲覧履歴や検索履歴に合わせて、表示内容が変わるのだ。SNSでは同じ意見の人とだけつるむことができる。

これはとても心地よいことかもしれないが、違う意見に接する機会が極端に減ってしまう。そして、たまに自分と違う思想に出会うと炎上するのはお約束だ。そうやって視野狭窄になり寛容性が失われる。ネットだけ使っていると百害あって一利なし

朝日と読売を読み比べれば分かる通り、新聞でさえ公正ではないのだ。ましてネット見られる個人の情報発信は偏見満載とみていい。極端にふれて冷静に判断できる大人でいないと、いけない。そう考えるとネットは子どもには害だろう。

ネットの情報は玉石混交と二人は説くがこれはその通りで、ネットで玉だけを選ぶのはかなり難しい。スマホを断って知的訓練をしないと、そういう能力は身につかないです。

このブログの筆者

早川朋孝
早川朋孝
ネコ好きな読書家。
月一冊は専門書を読むのが目標。年間読書計画はだいたい決まっているが、だいたい横にそれるのが悩み。好きな作家は塩野七生さん、佐藤優さんなど。タバコ嫌いで、ちょい右寄りです。

仕事はウェブが専門。学生の頃よりウェブ制作に従事し、CMSの提案やアクセス解析が得意。上場企業や、東京オリンピック関連サイトなど大規模ウェブサイトのプロジェクトを多数経験。仕事のウェブサイトはこちら
TwitterとFacebookとRSSで更新情報を受け取れます
RSS

最近のエントリー