2017/10/03

飲食店のノーショウについてお店と客の両方の立場から考えてみた

飲食店を恐怖のどん底に突き落とすノーショウが増えているようで、一部報道によると被害額は年間2000億円なんて試算もあるくらい。最近少しだけだがお店側の対策が見られるようになったようだ。ちょっと前だがNHKのニュースによるとクレジットカード「ダイナースクラブ」が、予約客に「ドタキャン」された飲食店に別の客を呼ぶサービスを開始するとのこと。詳しくは知らないが、ノーショウの客の電話番号を共有するなんてサービスもあるらしい。

Facebookなどを見てると飲食店の人のノーショウに対する憤りはすごく大きいし、怒るのは当然だと思う。食べ物に関心がある私にとって、ノーショウはとても心の痛む問題である。以下は飲食店を経営されている方の投稿である。

「ノーショウなんて理不尽だ。そんなマナー違反するやつ客じゃねえ」と思っている飲食店の経営者や店長は多いでしょう。しかし、客側からしてもお店に対して腹がたつことはあるのです。私は飲食の仕事の経験があるわけではないですが、飲食店の大変さは少しは知っているつもりです。また、客として飲食店を利用することもあります。そのためノーショウについてそれぞれの視点を書いてみたいと思います。

目次

  • 客は飲食店の視点を想像してみよう
  • お店の人は客の視点を想像してみよう
  • ノーショウを解決する具体的な方法 ー お店の人の場合
  • ノーショウを解決する具体的な方法 ー 客の場合

客は飲食店の視点を想像してみよう

「ノーショウやドタキャンがお店にとってどれだけの損害かお客さんに知ってほしい」というのが飲食店の本音でしょう。とくに大人数の予約キャンセルは死活問題です。その予約があると他の客は断らないといけないし、食材などもたくさん用意する必要がある。予約がある時点でコストがかかっている。それが何の連絡もなしに当日に予約客が現れないなんてことになったら、食材がもったいないじゃ済まない。大損害である。

料理人は美味しく食べてもらおうと時間をかけて下準備をするし、食材を買った業者に支払いをしないといけない。予約するだけでコストがかかっているんです。それなのにノーショウが続いたら、客に対する警戒心から味もサービスも落ちる可能性が出てきてしまうのは避けられない。

ノーショウされたお店の人が「時間になっても一人もこないし、連絡はないし、次からは一見の大人数は予約とらねぇ」とか、「大人数の場合はノーショウされても損害を最小限にするために食材コストを抑えよう」とか思って当然でしょう。その結果、ちゃんと約束を果たす他のお客さんにしわよせがいってしまう。顧客満足度が下がりお店は閑散として、、、、、と、このようにノーショウはお店にとってとんでもない迷惑行為なのですが、にもかかわらず、ノーショウへの罰則がないという著しく不利な状況で、お店の人は営業しているのです。

たいていの人はノーショウなんてまずしませんが、ごく一部の非常識な人のせいで迷惑・被害をお店は被っています。お店をやっている人のリアルな嘆きを読みたければ、この記事とか読んでみてください。

お店の人は客の視点を想像してみよう

ここでいう客とは、多くはビジネスマン、サラリーマンです。ずっと飲食業界で働いている人なら、一般企業の正社員がどれだけ大変かはあまり知らないでしょう。飲食店も激務でしょうが、サラリーマンの大変さはちょっと種類が違います。成果主義で不安定な収入、勤続年数によるベースアップはなし、残業、土日出勤は当たり前、こんな中小企業はいくらでもあります。大企業なら大企業で大変です。定時退社は厳命されているけど、仕事が減るわけじゃない。仕事の持ち帰りはセキュリティーポリシーでできない。明かりのない暗いオフィスで業務をせざるを得ない。こんな感じです。

これだけ忙しいと、部署の飲み会とか歓送迎会とかを予約しても人数揃って時間通りにお店に行くなんてまずできない。それに幹事はたいてい若い人がするだろうから付き合いのあるお店なんてまずない。だからとりあえずネットで探して、なんとなく良さそうなお店を予約するしかない。大抵は食べ物にこだわりがあるわけじゃないから場所さえ確保できればいい。で予約したら、上司から「牡蠣きらいだ」みたいなリクエストが出てきて別の店を予約。若いから気が利かず、最初のお店にキャンセルするのをうっかり忘れてしまった。「悪いことしたな」、いやいや。

この時の若い幹事の気持ちは「悪かった、悪かった、わがままな上司で運が悪かった」くらいですよ、きっと。お店に対して「悪かった」なんて思わない。食べ物に興味ないとそんなもんです。さて、お店に行って、もし「サービスは悪いし、味も悪いし、2度と行かない」みたいな店だったら「お前幹事失格だな」という評判が車内でついちゃいます。みんなが忙しい中、せっかく時間合わせて飲みに行ったのに、パスタは冷めてる、飲みものはこない、店員は明らかに足りてないみたいな最低の店だったら落胆は大きいです。そうして飲み会とか飲食店への印象が悪くなり、平気で予約を軽視するようになる。

ノーショウを解決する具体的な方法

こういう問題は、お店と客のどっちが悪いなんて言ってもしょうがないし解決しない。なぜなら悪質な客はいるし、悪質なお店もあるし、どっちが悪いなんて一概に決められない。愚痴を言っても始まらないので、お店の人、お客さん双方の立場から建設的に考えてみましょう。

お店の人の場合

まず言いたいのは、商売に走りすぎている店は本質的に飲食店に向かないと思います。そういう店はノーショウ・ドタキャンされて怒るなってことです。こんな話はどうでもよくて、まっとうにやっているお店はどうすればいいか。

ノーショウするのはたいてい一見の客だろうから、なるべく常連とその紹介で回るような素敵な店になるよう努力するのが最大のノーショウ予防策でしょう。だから通りで客引きしまくるとか、ネットとか媒体に広告出すなどの方法でしか新規客を得られないなら、ノーショウ対策はたぶんできないです。

それと食べログなどの口コミサイトを見て連絡してくる人は一定の割合でいるでだろうから、そういう人の予約を取る場合は、キャンセルポリシーを明確に伝えて、カード番号を控えるとかして自衛するっていうのは一つの手でしょう。どの程度ポリシーを厳しくするかはさじ加減があるでしょうが、ポリシーを明確にするだけでも少しは違ってくると思います。インターネットって匿名の世界だから善意に基づくだけでは限界です。「そんなことしたら客が来なくなる」って聞こえてきそうだけど、もし本当にそれだけで客が来なくなったら、その程度の店だってことです。来てもらえるようお店の魅力をみがくしかない。

まっとうにやってる店なら必ず同業とかお客さんのつながりができてくるから、いざノーショウとか大人数のドタキャンが出た時にSNSなどで告知すれば、みんなが協力してお店に来てくれるかもしれない。横のつながりがノーショウのセーフティネットを果たすようになります。もちろんこれだけでノーショウを100%回避できるわけではないでしょうが、ないよりましでしょう。

客の場合

あなたが会社の飲み会の幹事をするとしましょう。その場合会社の飲み会や接待などでネットで探したお店に初めて行くっていうのはイケてないと思ったほうがいい。なぜなら、どんな店かも分からない、どんなお店の人がいるのかも知らない、そんな初めて行くお店で同僚やお客さんが満足するか?ってこと。こういう飲み会の場合、たいていは行ったお店の名前を参加者の一人として覚えることなく終わるだろう。当然幹事をしたあなたの評価も上がらない。

こんな事態を避けるには、行きつけの店をいくつか持っておく必要がある。行きつけの店を持つには食事に対する感度を高めるしかなくて、いつもお昼はコンビニ弁当とか、チェーン店の牛丼とか富士そばを食べてると絶対にいいお店は見つけられない。いつもは弁当でも、週に一度のランチはオーナーシェフがやってそうなお店を探して行ってみるとか、そういう努力が必要。ランチでまっとうなら何度か行ってお店の人と知り合いになり、そして夜の営業も行ってみる。

こういうことを時間をかけてお店の人と信頼関係を築いていけばすっかり常連になれます。一度常連になればしばらく行かなくてもお店の人は必ず覚えているから、いざ飲み会とか接待というときに、すごくよくしてくれます。そもそも、口コミサイトでいいお店を見つけようなんて厚かましいにもほどがあって、世の中そんなに自分だけに都合よくできていないんです。いいお店の情報は時間をかけて自分の足とお金を使うことでしか得られない。

そうやって自分で作ったお店情報を接待とか会社の飲み会に活用すれば、やがてはすご腕幹事と社内で評判になり、その評判は出世に活用できるかもしれない。お店に対する意識をちょっと変えるだけでいいんです。

相手を知ることでしかノーショウ解決しない

結局ノーショウを解決する気軽な方法なんてなくて、お店の人も、客の立場の人も双方相手を理解するしかないでしょう。飲食店の人はサラリーマンの大変さを少しでも理解して、お客さんはお店の人の苦労とか食材の大切さを知る。こういう意識をお互いに育てるしかない。

これが面倒くさいならそれまでで、お客さんを金儲けの対象としてしか見てないようなお店の姿勢だとノーショウやドタキャンからは逃れられないでしょうし、「自分は客だから」と意識でネットで楽してお店を探すような人はいいお店はには一生巡り会えないです。

最近のエントリー

おすすめ記事

このブログの筆者

早川朋孝
早川朋孝
ネコ好きな読書家。
月一冊は専門書を読むのが目標。年間読書計画はだいたい決まっているが、だいたい横にそれるのが悩み。好きな作家は塩野七生さん、佐藤優さんなど。タバコ嫌いで、ちょい右寄りです。

仕事はウェブが専門。学生の頃よりウェブ制作に従事し、CMSの提案やアクセス解析が得意。上場企業や、東京オリンピック関連サイトなど大規模ウェブサイトのプロジェクトを多数経験。仕事のウェブサイトはこちら
TwitterとFacebookとRSSで更新情報を受け取れます
RSS

最近のエントリー