【投票前に考える3】公明党を知る本「創価学会と平和主義」の書評

まず初めてに断っておくがわたしは創価学会員じゃない。

なんでこんな断りを最初に書くかというと、公明党 → 創価学会 → 思考停止、という人が多いから。確かに「創価学会」というだけでその瞬間に拒否反応を示す人は多いだろう。なにかいかがわしい新興宗教だと広く思われているらしい。そんな創価学会が公明党の支持母体なのだから、公明党にも拒否反応を示す人は多いんじゃない?ちょっとツイッターで「創価学会」と検索するだけで、以下のように熱を帯びた投稿が見られる。Googleの検索でも同じような結果になるだろう。

しかし、何も知らないのに噂やイメージだけで物事を判断するのは大人の姿勢とは言えないから、公明党と創価学会に関する本を一冊読んでみた。そしたら世間でひろくイメージされているのとはかけ離れた姿が浮かびあがってきた。

今回に選挙は自民党が優勢な報道がされていたり、小池さんの希望の党とか、枝野さんの立憲民主党に焦点があたっていて公明党はあまり話題に出てこない。ていうかいつも公明党はあまり表には出てこない気がする。しかしながら1993年の細川連立内閣、2000年の森内閣、その後の小泉内閣など連立政権として継続して与党側にいる。もし本当に公明党が世間でイメージされている創価学会そのままの姿を反映したいかがわしい党ならば、ここまで継続して与党側にいることなできないはずでしょう。こう書くと陰謀論を唱える人が出てくるけど、陰謀だけで長期にわたり一定の議席を獲得できるはずがない。

公明党はサッカーで例えるならば派手に点をとるフォワードではないけど、いぶし銀なボランチみたいな仕事をしっかりしている党なのだろう。さて、今回紹介するのは佐藤優著の「創価学会と平和主義」という本です。新書なので気軽に読める。そしてこの本は以下二点が注目に値する。

  • 著者がキリスト教徒のため、創価学会員が自らの組織をよいしょで書いたような本とは一線を画する。
  • 創価学会や公明党に関する客観的な事実を並べて読者に判断を委ねるという姿勢で書かれている。特定の立場からの熱を帯びた論調ではないため、創価学会という多くの人が思考停止しやすいテーマについて読者は冷静に考えることができる。

宗教人としての佐藤優さんは創価学会びいきではないのは明白で、あとがきにこうある。

創価学会に反感を覚える人、宗教に無関心な人、熱心な創価学会員、両親が創価学会員である関係で自分も学会員になっているが活動には熱心でな人、恋人が創価学会員であるために両親から交際をやめろと言われている人などを頭に浮かべながらこの本を書いた。

創価学会に対する好き嫌いといった感情をひとまず脇に置いて、現実に存在する創価学会を等身大で見て欲しいのである。

安倍政権のブレーキとしての公明党

安倍政権と連立していることで、「安倍死ね」と言っている人たちは公明党を安倍政権と同一視している向きもあろう。しかし、公明党は安倍政権のブレーキの役割を果たしていることが本書のp26を読むと明確に分かる。安倍政権が集団的自衛権を強引に法案通過させた際、公明党は法案の文言を当初の自民党案から変更させた。それによって集団的自衛権の法案に強い縛りをかけたことが詳しく説明されている。

集団的自衛権の法案によって戦争が近づいたと多くの人は思っただろうが、公明党案が通ったことで「結果として集団的自衛権による自衛隊の海外派兵は遠のいた」と著者は分析している。ここに紹介したのはほんの一例だが、公明党と創価学会の様々な事実に関して本書を読めば知ることができる。投票前に公明党と創価学会について考えるいい機会になると思う。

そして、興奮して度が上がっている人に物事をどういう姿勢で伝えるかについても学べるので、すごくお得な本です。

最近のエントリー

おすすめ記事

このブログの筆者

早川朋孝
早川朋孝
ネコ好きな読書家。
月一冊は専門書を読むのが目標。年間読書計画はだいたい決まっているが、だいたい横にそれるのが悩み。好きな作家は塩野七生さん、佐藤優さんなど。タバコ嫌いで、ちょい右寄りです。

仕事はウェブが専門。学生の頃よりウェブ制作に従事し、CMSの提案やアクセス解析が得意。上場企業や、東京オリンピック関連サイトなど大規模ウェブサイトのプロジェクトを多数経験。仕事のウェブサイトはこちら
TwitterとFacebookとRSSで更新情報を受け取れます
RSS

最近のエントリー