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お腹いたくて死にそうな家族を大きな病院に連れていっても受付で相手にされず怒り心頭した件の顛末

2019年05月16日 小話

先月のある朝のこと。身内が具合が悪いというので病院に連れていった。その具合が悪いという程度が尋常じゃない。少し熱があるとか、頭が痛いとかそんなレベルではない。一晩中お腹が激痛だったらしく、歩くのもやっとで肩で苦しそうに息をして、苦悶の表情をうかべ顔には脂汗がにじみ出ていた。

そんな状態だから、私は近所のクリニックにいってもしょうがないと思い、そこそこの大きさの病院に家族を連れていった。その病院は大病院というほどではないけど、緊急医療の指定があり、病床数はウェブで調べると218ある。そんな病院の初診受付にいったら、受付担当の赤い縁のメガネをかけた若い女が明らかに具合の悪い人を目の前にしておきながら、「紹介はありますか?」「予約はしてますか?」の一点張りで、ぜんぜん受け付けてくれない。最終的には「2〜3時間待ち」と言われた。死にそうなくらいお腹が痛いのにそんなに待てるはずがない。

仕方なくその病院の近くの別の病院を検索して探し、歩くのもやっとの家族を連れていった。そこは泌尿器科専門だった。仕方なく結局、いつもその家族が利用しているかかりつけの近所のクリニックにタクシーで移動した。そこで診察してもらい「盲腸かも」という診断が出て、結局そこから救急車で搬送された。そのクリニックの先生は親切で救急車の手配とかもしてもらい、最初に行った大きな病院との対比で神様に思えたくらい。

でね、話を戻します。生まれて初めて救急車に乗ったのだけど、搬送された先がなんと最初に行って追い返された病院だったのですよ。最初に来てから2時間くらいが経過していた。

最初から救急車を使え

その病院の受付で私を逆上させる出来事があった。受付で手続きをしようとしたら最初に行った時と同じ赤い縁のメガネの女だ。内心「このやろう死ね」とか思いつつ冷静に手続きをしようとしたら、その受付の赤い縁のメガネの女がこう言ったのだ。

「当院のご利用は初めてですか?」

「。。。。。。。。。。。。。。。。」言葉にならないとはこのことである。去年のロシアワールドカップで日本がベルギーに負けたときより大きな衝撃だった。意趣返ししてやりたいくらい腹が立ったので、さすがに語気を強めてこう言った。「今朝いちど来たけどあんたに追い返されたんだよ」。厳密には追い返されたわけではない。2〜3時間待ちと言われてこちらから勝手に帰ったのだ。しかしこれを読んでくれいる方は、私がそう言いたくもなる気持ちを察してくれるものと信ずる。ちなみに怒りの一言を言った後の赤縁メガネの反応は謝罪もなく「上の者に伝えておきます」と表情一つ変えずにさらり。どこまで人の気持ちを逆なでするつもりなのだろうか。相手の立場や苦しみを露ほども想像できない人がよく病院の受付をやっているものだと感心する。ちなみにその身内はそのまま5日ほど入院しました。

もし仮に、ある人が命に関わるくらいの状態で緊急搬送されずに病院に来たとして、2時間経過した結果重体あるいは命を落としでもしたら病院側は本来は助けられるはずの人をみすみす見殺したことになる。人を助けるはずの医療機関なのに、なんのためにあるのだろうという話になる。

それはさておき、私は自分が異常に健康なので健康診断を除き普段病院に行くことはまったくない。10年くらい行ってないと思う。だから医療機関との付き合い方を全然知らなかったわけなのだが、今回はいい教訓になった。ちょっとした風邪とかひどい二日酔いとかではなく、明らかに異常な状態、例えば死にそうなくらいお腹が痛いとかそういう場合は、最初から遠慮せず救急車を呼ぶべし

医療現場の苦労も知っておくべし

ここまでは私の一方的な体験談を書いたもので、医療現場の人の意見が存在せず公平ではない。というわけで医療現場の人の意見も併記する。上記体験談を知り合いの医者に話したら、医療現場には医療現場のいろいろな言い分があることがわかった。それを紹介する。

  • 緊急性の判断を医師が最初の段階でする医療施設は多分かなり少ない
  • 緊急性を判断するのが看護師でもまだまし
  • だから事務のレベルが相当重要になってくる

だそうです。そして医療医学の問題というより医療経済、医療システムとしての問題が大きいとのこと。そしてその問題の原因を作っているのは、ごく一部の心無い人たちだ。医師の立場からは、全然たいした症状でもないのに気軽に救急車を使う、あるいは微熱程度の症状で病院に来る人が多すぎる。その友人の医者とLINEでやりとりした際の言葉をそのまま借りる。

<カス、ばっかなんですよね
意外と、こちらの目線的には
(笑)

語弊あるとアレですが。

カス、をも救おうとする
日本の仕組みの優しさよ。

アメリカなら
とうに野垂れ死んでいるよう
な人でも
生きていけるから>

とのこと。人前での発言ではないからきっと本音でしょ。現場で苦労している医師の苦労が率直に伝わってくる。この文章から医療現場において一部の心無い人のせいで全体が迷惑するというありがちな構図が浮かび上がってきた。なるほど、医療現場では大変な苦労があるのだ。おそらく医師だけでなく、他の看護師なども同じでしょ。それもそのはずで、『日本国製図会』で日本の病院の数、医師の数などを調べてみると1人当たりの医師は少ないのがわかる。以下は少し古いが2012年のデータ。

日本の医師数

一般病院数 7,439 10万人当たり5.9
医師数 292,000人 1000人当たり2.3人
看護師 1,015,744人 10万人あたり796.6人

医師数は1000人当たり2.3人ですよ。少なっ!!そりゃ病院に長蛇の列ができるわけだ。しかも高齢化で年寄りは増え続け働き盛りの医師は減り続けるから、日本でこれから状況が医療状況がよくなる見込みはない。うーむ、これはいざ体調を崩したときの身の処し方を事前にシュミレーションしておいたほうがいい。いつ命に関わることが起きるとも限らないので。で、どうすればいいか。

自衛のためにできること

救急車をタクシー代わりに使うような一部の心無い人のせいで本当に苦しい人が割りを食ってはたまらん。まっとうな人は身を護る術を身につけておかないといけない。とはいえ、普段から健康・頑丈でかつまじめな人がいきなり救急車を使う決断はなかなかできないものだ。恥ずかしいとかあるかもしれない。そこで登場するのが救急相談センターの#7119。いきなり#119番にかける前に、#7119にかけて救急車を呼ぶかどうかを相談することができる。ただし、全国展開しているわけではないので、自分の住んでいる地域で対応しているかどうか調べておくといいでしょう。

東京の場合は東京消防庁救急相談センターQ&Aにつながる。それと小児救急電話相談というのもあるらしい。

#8000 小児救急電話相談(全国展開)
#7119 大人救急電話相談(2018年ごく一部)

こういう知識があれば、いざというときに慌てずに済むね。

今回の教訓
本当にまじで死ぬほど具合が悪いのに病院の受付でむかつく対応をされたら、そいつの目の前で救急車を呼んでやれ

こんな意地悪は良い子のみんな真似しちゃだめだよ。

このブログを書いてる人
早川 朋孝

業界15年ウェブ運用の専門家です。データ分析やシステム導入の提案などをガッツリやってます。まっとうな情報のインプットとアウトプットを地道に継続することに重きをおいていて、月140時間は本を読みます。ワインとクラシック音楽とネコをこよなく愛し、タバコとトンデモ・ニセ科学は嫌い。明治学院フランス文学科卒。

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