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杉田水脈氏は「昭和のオヤジ」の生き残りだった。「LGBTは生産性がない」全文を読んでわかったこと

2018年07月25日 社会

杉田水脈氏の「LBGTは生産性がない」があまりにひどい。大辞林によると「生産性」の定義は以下の通り。

生産のために投入される労働・資本などの生産要素が生産に貢献する程度。生産量を生産要素の投入量で割った値で表す。

LGBTが労働をすれば生産に貢献するわけで、杉田水脈氏の「LGBTに生産性がない」というのはそもそもおかしく、論理が通ってない。いやそれ以前に、マイノリティとして苦しんでいる人に「LGBTに生産性がない」と心ないことを言える神経がおかしい。

国会議員の放言はいつものことで、最近では穴見議員はがん患者の方の証言にたいしての発言や、豊田真由子元議員の「このハゲー」もしかりだ。しかし今回の杉田水脈氏の件はまったく異質である。穴見議員も豊田真由子元議員も、品がないのは間違いないがどちらにも共通しているのは反射的な発言だったことだ。そしてその後(しぶしぶであろうと)謝罪している。

しかし、今回の杉田水脈氏の場合は違う。知性も配慮もないが彼女なりに頑張って書いたコラムである。つまり文章だ。出版されるものに投稿するわけだから、それなりに考えて推敲したはずである。「LGBTに生産性がない」というのはうっかり発言したわけはなく文章で書いた熟慮の末の表現なのだから、杉田水脈氏の思想がここに端的に現れているとみなすことができる。

批判された後も、この通り。世間一般の感覚とあまりにずれている。「全文を読んで批判しろ」とか、よくもぬけぬけと言えるな。この記事で全文読んで批判したよ。こんな人がどうやって衆院議員に当選したのか、理解しかねる。まったくの謎だ。ちなみにこの後、杉田水脈氏は殺害予告されたとかで、上記ツイートを含め関連ツイートを削除した。ま、ていのいい逃げですな。

自分の支持者にのみ

杉田水脈氏がなぜこんな配慮のない文章を堂々と投稿できるのか不思議でしょうがないのだが、今朝2018/7/25の朝日新聞のコラムを読んでいて少し謎がとけた。『(耕論)いまって「昭和93年」? 原恵一さん、高野光平さん、安冨歩さん』
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13604326.html
というコラムの安冨歩さんの文章を読むとなるほどと思う。以下に一部引用する。引用文冒頭の「彼ら」は「昭和のオヤジ」を指す。セクハラで辞めた前財務次官のような人だ。

■立場を守るのは時代遅れ 安冨歩さん(東京大学教授)

彼らの行動は昭和の価値観を引きずっているように見えます。そうした行動が、特に戦後の昭和に顕著だった、日本人の「立場主義」に根ざしているからです。

立場に付随する役を果たすためには、全力を尽くす。逆に、立場を守るためなら、何をしてもいい――これが立場主義です。

杉田水脈氏はばりばりの保守で、当然政治家として支持者に向けてそういうポーズをとらないといけない。ご本人のウェブサイトやブログを見るとそっち系の活動をしているのがよく分かる。
http://sugitamio.net/
まったくの余談で、かつウェブの仕事している人にしか分からない内容で恐縮ですが、このウェブサイトはテーブルレイアウトだ。今どきレトロすぎでしょ。20年以上前のホームページビルダーで作ったのかな。別にいいけど。

当然、保守の行動をして支持を維持しないといけない。そのためにLBGTを攻撃することを厭わない。まさに上記引用文の「立場を守るためなら、何をしてもいい」だ。引用を続ける。

それでも形骸化した立場主義は残り、前財務事務次官や日大アメフト部前監督のように、それを全力で守ろうとする「昭和のオヤジ」が日本にはまだ大勢残っています。

これで合点がいった。杉田水脈氏は昭和のオヤジの生き残りだったのですよ。それにしてもだ。もう一つ疑問がある。「LGBTは生産性がない、彼らに税金を使うのはもったいない」とこんな差別あふれる文章を投稿する前に、ブレーンが止めるとか、多少なり常識をもった支援者が制止するとかできなかったのだろうか。うっかり発言なら周囲も制御は難しいだろうけど、出版物に投稿する文章なら止めることがくらいできと思うのだが。杉田水脈氏の周囲には、本人ばかりかろくな人がいないと露呈してしまったのだ。

杉田水脈氏に政治活動資金があれば最低限優秀なブレーンくらい雇えるだろう。しかしそれができないということは、彼女は昭和のオヤジであるのに加え、活動資金もないことがバレたのだ。でもね、あと20〜30年もすればこういう人もどんどん減って影響力が少なくなるから、将来日本は良くなると、思いたいなぁ。

このブログを書いてる人
早川 朋孝

仕事の合間に月140時間ほど読書します。新聞は三紙、他に有料メルマガなどを購読し色々な本に目を通しています。このブログではその中から、ビジネスに直接あるいは間接的に役立つ本を紹介します。忙しい社会人はこれだけ読めばOKというブログを目指します。

仕事は業界15年のウェブ運用の専門家で、文系出身ですがシステムの提案やデータ分析をしています。ネコ好きなタバコ嫌いで反トンデモ。明治学院フランス文学科卒。

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