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コンビニに外人が増えた理由。その数は今後もっと増えるけど、やがて減るかも

2018年09月15日 社会

日本は島国だから外人が少ないと思っているなら、その認識は誤りです。日本に住んでいる外人は約247万人で、外国人労働者の数は10年で2.6倍に増加し、今は128万人です。247万人というと日本の人口の約2%に相当します。そう、日本はすでに世界第5位の移民大国なのだ。「それにしても最近の都内のコンビニの店員は外国人が多いなぁ」と思っているあなた。その認識も誤っています。外国籍の店員が多いのは都内だけはなく地方にも同じことが言えます。ちなみに、外人が増えたというのは誰もが感じているだろうけど、上記の247万人は観光客とは別ですよ。

もう一度書きますが、日本はすでに世界第5位の移民大国なんです。外国人労働者の力に頼らないとやっていけないくらいどこもかしこも人手不足です。FacebookとかTwitterには「人手不足です、人材求む」といった類の投稿が溢れていますが、実際にそれで求人できているところはあるのか、かなり少ないのが現実でしょう。

ここで近未来を想像してみてください。あなたがある日、渋谷のあるコンビニに行くと、お店のひとは全員外人でした。日本人スタッフはゼロ。ほしい商品がないからお店の人にきくが通じない。そこで片言の英語で聞くけど、それでも通じない。けっきょく買いたいものが見つからず、とぼとぼ家に帰る。これって、近未来ではなくてもすでに今起き得ることです。スタッフが全員外人の店はもうあるし。

なぜこんなにコンビニ外国人が増えたのか

その理由を説明するのが『コンビニ外国人』。日本が人口減社会であるのは当然のことして、この本によるとコンビニ外国人が増えた理由は「技能実習生」と「留学生」だと言う。どちらも名前ばかりで、実際は労働力不足に両者が利用されている。ま、外人も留学というより出稼ぎ目的で来ている人も多いので、どっちもどっちだけど。今日の読売新聞の記事(会員のみ)外食 人手確保へ本腰…主婦・留学生の採用強化には以下のようある。

吉野家のターゲットは、中国やミャンマー、ベトナムなどから来日した留学生だ。外国人トレーナーが母国語で教育し、動画マニュアルも活用。日本語に不慣れな留学生にも仕事を早く覚えてもらえるように工夫を凝らしている。

吉野家は留学生に働いてもらわないと店が回らない状態らしい。もはやなりふりかまっていられない状況であるのが記事の行間から分かる。日本人は誰も外食産業とかコンビニで働きたがらない。そしてそういう自分ではしたくない仕事を外人に押し付けて、でもその利益をしっかりと享受している。甘い蜜だけ吸おうというわけです。しかし、こんな状態は長く続かないかもしれない。「日本は外人の受け入れ体制が不十分」とか、「東京オリンピックが終ったら外人が日本に来なくなる」という意見が、当の外国人留学生の間にある。もし本当にそうなったら、コンビニに行っても、外人の店員すらいないことになる。

本当にコンビニな世の中が必要なのか

ぼくたちはもう、多少の不便を容認しないといけないくらいの段階に来ています。常に便利な世の中はコストが高すぎるからです。ただでさえ増大する社会保障費があるのに、それに加えて便利さを維持するコストまで負担するのは、社会が耐えられない。こう書くと「経済成長すればいい」とかいう人がいるけど、それはもう成長する余地がないので絶対に無理です。アベノミクスも絶対に成功しないし、仮にAIによる技術革新があっても目を見張るほどの経済成長はもう実現しない。

常に便利な社会に慣れてしまうと、先日の北海道の停電や福島原発のようなことが起きた場合に破綻します。だからまず、経済成長至上主義はすてればいい。ではどういう社会を目指すべきか?経済学者の水野和夫氏の言う「定常社会」という発想があります。以下に「資本主義の終焉と歴史の危機 p188」から引用します。

「定常社会」とはゼロ成長社会と同義です。〜中略〜経済的にもう少し詳しくみていくと、ゼロ成長というのは、純投資がない、ということになります。純投資とは、設備投資の際に、純粋に新規資本の調達でおこなわれる投資のことですから、設備投資全体から減価償却費を差し引いたものになります。この純投資がないわけですから、図式的に言えば、減価償却の範囲内だけの投資しか起きません。家計でいうならば、自動車一台の状態から増やさずに、乗り潰した時点で買い替えるということです。

経済学的な基礎知識がないと少し難しいが、要するに経済成長をひたすら目指すのはもうやめようということ。なぜならフロンティア(投資する場所、つまり成長の余地)はもうないのだから。

こういう発想が根底にあればひたすら経済成長を目指すこと、例えば、経営者が利益を極限化するために残業と休日出勤ずくめのブラック企業とか、常に便利なコンビニ社会を地方まで行き渡らせるとか、温室効果ガスを無限に使うとか、そういう諸々の社会問題が緩和されて、お互いに共感の得られる優しい社会になれるのではないでしょうか。

このブログを書いてる人
早川 朋孝

業界15年ウェブ運用の専門家です。データ分析やシステム導入の提案などをガッツリやってます。まっとうな情報のインプットとアウトプットを地道に継続することに重きをおいていて、月140時間は本を読みます。ワインとクラシック音楽とネコをこよなく愛し、タバコとトンデモ・ニセ科学は嫌い。明治学院フランス文学科卒。

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