楽天、Amazon、Yahoo、Shopify、カラーミー、BaseなどのECサービスはAPIを用意しています。
各ECモールはちゃんとした管理画面がありそれでEC運用ができます。楽天にはRMS、Amazonにはセラーセントラル、Yahooにはショッププロなどなど。
しかしどのECモールもAPIを必ずといっていいほど用意している。しかもAPIの機能は充実していて、かなり力を入れていることが分かります。
なぜ管理画面があるのに、APIが用意されているかというと、モールの管理画面だけでは各ショップの業務が解決しないことをモールが理解しているからと言えます。
どんな店舗にもそのショップならではの固有の業務がある。それらはAPIでカスタマイズしないと解決しません。どのECモールも自社のモールを小売店やメーカーに使って欲しいので、少しでも快適にEC運用ができるようにAPIを用意しているのです。
つまり、モール提供元はEC運用にAPIが使われることを前提としてサービス設計をしています。
「人手を増やしたのに雑務が減らない」の共通点
さて、「人手を増やしたのに雑務が減らない」と相談を受けることがありますが、こういったショップは、多くの場合APIを活用できていません。
もちろん、ネクストエンジン、テンポスターなどを利用しているならAPIを使っていることになりますが、それだけでは不十分な場合がほとんどです。これらのサービスはもちろん優れていて店舗運営には便利ですが、導入するだけで店舗固有の業務がなくなるわけではないのです。
手間のかかる店舗固有の業務を改善しない限り、人を増やしても雑務は減りません。管理業務や教育などの時間がかかり、むしろ雑務が増える可能性すらあります。
したがってEC運営が大変な場合にまず着手すべきは、APIを活用して時間のかかっている業務を減らすことです。毎日の雑務は減らせるのです。必要だと思ってやっている業務、雑務の多くは、自動化できます。
しかし、ITの知識がないネットショップの店長がたくさんいるため、APIで業務が楽になるという選択肢が存在することすら知らないケースがけっこうあります。「API?難しそう」というだけで敬遠しているのはもったいないです。
APIの活用事例
複数のモールを運営している状況を考えてみましょう。例えば売上を確認するのに、楽天のRMSにログインし、Amazonのセラーセントラルにもログインし、ヤフーのストアプロにもログインしとなるとものすごく面倒くさい。
こういうケースでも、APIを利用したプログラムがあれば、一つの画面で複数のモールの売上を確認できます。
ちなみに、APIとは、あるシステムの外部からそのシステムのデータにアクセスできる機能を指します。
他にもまだあるAPI とプログラムの活用事例
APIとプログラムを組み合わせれば、様々なネットショップの雑務が自動化・効率化できます。以下に一例を挙げてみましょう。
- 複雑な条件の送料計算を自動で
- 倉庫への出荷指示書の作成
- メーカーへの発注
- 複雑な条件での送料の自動修正
- 大量の商品のヤフオクの再出品
- セール前後の価格一括変更
- 楽天からshopifyへの商品ページcsvデータの変換
- BASEの売り上げデータをメールでまとめて自動送信
- 受注csvファイルを運送会社のテンプレcsvにして出力
- 楽天一括登録(FTP)への自動チェック・連続アップロードプログラム
- 楽天の一括登録用のcsvファイルの編集処理
- 定期的なリサーチ業務のレポート出力を自動化
- 画像の決まった位置に会社ロゴなどを一括で設定
APIとプログラムを使えば数時間の作業が数分でできることもあります。まずは店舗運営の何に時間がかかっているか見直してみてください。ボトルネックが一つでも減れば、店舗運営に余裕ができて、大事なことに時間を使えるようになります。