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【ワンクリック25万円の恐怖】Google広告の「検索キーワード」「検索語句」「部分一致」の注意点

早川朋孝 早川朋孝
EC専門のSE

google広告には「検索キーワード」と「検索語句」というのがあります。これから初めてgoogle広告を掲載する人にとって、両者の違いはとても分かりにくいです。公式には以下のように記載があります。

まずは、検索語句とキーワードの違いを説明します。検索語句とは、ユーザーが Google 検索や検索ネットワークのサイトで検索を行うときに入力する語句のことです。キーワードとは、適切なターゲット ユーザーに広告を表示するために、Google 広告をご利用の広告主様が広告グループに設定する語句のことです。

なるほど、これを読めば「検索語句」については容易に理解できます。実際にユーザーがgoogleで検索する語句です。問題は「検索キーワード」です。この「検索キーワード」はキャンペーン新規作成時に入力するのですが、この際にGoogle広告の画面では「検索キーワード」と検索語句の違いについては何の説明もないどころか、そもそも「検索語句」という項目があること自体、知ることができません。

「検索キーワード」を設定する際は、当然「このキーワードでサイト訪問されるのか」と設定する人は思うはずですが、これが全然違うのです。画面をよく見ると、細かい説明が書いてありますが、キーワードという用語から連想するものと、その実態がずいぶん違います。

私の例を挙げます。私は「EC コンサルタント」でキーワードを設定しました。参考までにキーワードプランナーで調べると検索ボリュームもあり、競合度は「中」。実際に検索すると「EC コンサルタント」以外のキーワードでもたくさん広告が表示され、クリックされます。実際にその例を挙げてみましょう。

「EC キューブ 問い合わせ」
「ec crm ツール」
「ec 支援 企業」
「EC サイト構築」

「EC キューブ 問い合わせ」と「EC サイト構築」などのキーワードはウェブ制作会社や開発会社がしのぎを削る高額キーワードなのですが、私のビジネスと全然関係ないのに、これでクリックされ、費用が発生します。全然関係ないキーワードでワンクリックで3000円くらい一瞬で飛びます。上に挙げたキーワードにはまだ「EC」という用語が入っていますが、そうでないものもたくさんあります。

「EC」を含まない用語もたくさんひっかかるのです。例えば「メイク ショップ 事例」とか出てきます。

また、こんな事例もあります。「B2B マーケティング」というキーワード設定をした際に、キーワードが全然かすりもしない「日本ナンバーワン○○」というキーワードで私の広告が表示されていたらしいのです。同名の会社がその商標を持っており、この会社から「うちの商標で広告を出さないでくれ」という旨の連絡がありました。すぐに該当キーワードの除外設定をしたのは言うまでもありません。

特に商標を侵害する意図など毛頭ないのに全然知らない会社から突然文句を言われ、ワンクリックで2000円が飛びました。なぜこんなことが起きるのでしょうか。その原因は「部分一致」設定にありました。

部分一致の罠

部分一致
検索キーワードを登録する際、以下の3つから設定を選べます。

  • 部分一致
  • フレーズ一致
  • 完全一致

部分一致にすると「EC コンサルタント」でも「ECサイト構築」と拡大解釈されてしまい、またECサイト構築をサービスとする会社名なども広告の対象になってしまいます。設定のさいに部分一致が「推奨」と画面に表示されますが、こういった事情を知らずに「部分一致」を設定すると面倒に巻き込まれる可能性が増し、広告費用もすぐ消化されます。

Googleの売上が上がるから「推奨」なのだろうと思いたくもなります。

一方、想像もしなかったキーワードで検索されているデータが得られるので、一概に「部分一致」は悪であると決めつけるわけではありません。はっきり言えるのは、リスクとメリットと両方がある設定であるということです。それを承知のうえで利用する必要があります。

ワンクリック25万円の恐怖

間接的に見た例ですが、数年前にワンクリックで25万円がとぶ可能性があった事例を見たことがあります。広告運用担当者が何度も交代し、登録されているキーワードも膨大で、細かい把握ができていない広告運用アカウントでした。どういう経緯かは不明ですが、キーワードの入札単価が25万円という設定が放置されていて、たまたま確認した担当者が青くなった、という話がありました。

結果的に、おそらくワンクリック25万円は消化されなかったようですが、消化される可能性は十分にあったわけで、長く運用しているアカウントには注意が必要です。

繰り返しになりますが、「部分一致」は想定もしていないキーワードや知らないサービスや会社名が、キーワード単価の高い状態で含まれる可能性があります。重々注意して使ってください。

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このブログを書いてる人
早川 朋孝 EC専門のSE
IT業界歴20年のエンジニアです。ネットショップ勤務で苦労した経験から、EC・ネットショップ事業者に向けて、バックオフィス業務の自動化・効率化を提案するSEをしています。
Web運用の経験もあり、アクセス解析、広告運用が得意で、広告APIとプログラムとの合わせ技で並の広告代理店にはできない提案が可能です。
プロフィール
API連携の相談にのります
趣味は読書、ピアノ、マリノスの応援など
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