Webは用いる人のリテラシーで決まる ウェブ運用と開発現場を経験したエンジニアのTIPS
TOP > BLOG > IT記事

WordPressのVPS運用は素人にはリスキーだが、環境さえできれば月2千円の費用でアフィリエイトで5万円稼ぐことも可能

早川朋孝 早川朋孝
EC専門のSE

WordPressを気軽に使えるレンタルサーバーのサービスを展開しているサービス業者はたくさんあります。それだけ利用者が多いことを意味していますが、長いことレンタルサーバーでWordPress運をしているとアクセス負荷やカスタマイズやバックアップ体制など色々と不満が出てくることもあるでしょう。

そういうときに、では次のステップとしてどういう選択をすればいいか?というのは経験したことがなければなかなか答えが出ないものです。この疑問に対する回答として、私はVPSの利用をおすすめします。

VPSというのはサーバー会社が提供する仮想の専用サーバーのサービスのことです。なお、この文脈での「仮想」についてはレンタルサーバーでWordPressを運用している人に伝えたい仮想環境のメリットを読めばイメージが膨らむと思います。「仮想」の意味がよくわらかないという人はご一読ください。

さて、VPSは物理的には1台のサーバーを複数人で共有して利用するサービスです。ここまでならレンタルサーバーと違わないのですが、重要なのはサーバーのルート権限が付与されるという点にあります。VPSはサーバーのスペックを除けば、まるで自分専用のサーバーを扱うかのごとく好きなようにサーバーの設定をすることができます。WordPressをインストールしようと、メールサーバーをたてようと、仮想通貨を稼ぐマイニングをさせようと、機械学習のモデル作成に使おうと、ネットワークストレージにしようと、使いかたは契約者の自由です(もちろん一般的な社会常識の範囲内で)。

一昔前までは専用サーバーをたてるというと大金が必要でしたが、今はサービスによっては安いプランなら月500円くらいからVPSを利用できます。もちろん安い分だけ低スペックなのですが、それでも専用サーバーをたてるほどではないけど、自由に使えるサーバーが欲しいという人にはVPSという選択肢は大きなメリットがあります。

他にもAWSに代表されるクラウドサービスの利用も考えられますが、クラウドの多くは従量課金制となっており、サーバー運用の初心者が安易に手をだすのは厳しいでしょう。したがってレンタルサーバーの次のステップとしてはVPSに落ち着くのが現実的な落とし所でしょう。

VPSを展開しているサーバー業者はたくさんありますが、主なところではカゴヤ、さくらインターネット、GMO、大塚商会などが挙げられます。特別にどれがいいとか悪いというのはあまりないので、比較サイトなどで検討するといいでしょう。私は将来のサーバー増強がしやすいさくらインターネットをおすすめします。

VPSには責任が伴うが、月2,3千円の費用でアフィリエイトで5万円稼ぐことも可能

なんだかいいことずくめのVPSのようですが、当然デメリットもあり、レンタルサーバーとは異次元の問題があります。それはサーバーを自分で管理しないといけないという点です。サイバー攻撃を受けようと、不正ログインをして乗っ取られようと、データが消失しようと、サービス提供側は何もしてくれません。だから日頃からバックアップをとるなど、サーバーの障害は必ず発生する前提で運用を設計する必要があります。

また、メンテナンスや障害により日中の昼間でサイトが表示されないという事態も発生します。それが嫌なら冗長構成にするしかないのですが、それはまた別の話かな。とにかく、VPSがそんなに都合のいいものではないのでご注意ください。こう書くとひるむかもしれませんが、デメリットをふまえた上でVPSを使用すれば、メリットのほうがはるかに大きいです。例えばアフィリエイトで月5万円を稼いでいる人が、月々のサーバー費用を2,3千円で安定して運用できれば満足度が大きいと思いますが、そういうサーバー運用がVPSを使えば十分に可能です。

ではどうやって安定したサーバー運用をすればいいか?

プロのエンジニアがしているVPSを使ったWordpress運用の全体像

プロのエンジニアって、つまり私ですが(笑)、まぁ、定番の方法なのでウェブエンジニアならみんな当然のごとくこうしているであろう運用の手法があります。こういう定石にのっとって運用するだけのことです。

  • ローカルマシンにWordPressの仮想環境を構築
  • VPSに本番用のWordPressを構築
  • 仮想環境で記事を書く、プラグインのチェックなどをする
  • 品質に問題がなければ本番にアップする

こうすれば運用の中で自然とバックアップがとることができます。これが面倒という人は、本番環境で記事を直接書いて、それをバックアップして仮想環境に落としてもいいでしょう。これなら負担は少なくて済みます。大事なのは、運用の中に必ずVPS以外のマシンにバックアップデータをとるという流れを入れることです。こうすればVPSに何かトラブルがあっても復元できます。

もしバックアップがないと、マジで復元できません。たとえそれが10年運用した記事であろうと、1記事で10万PV稼ぐ記事であろうと、関係ありません。だから必ずバックアップをサーバー以外のマシンにとりましょう。

VPSにWordPressを構築する大まかな流れ

詳細はまた次の機会に紹介しますが、上記のようにバックアップ体制を前提として、VPSにWordPressを構築する大まかな流れは以下の通りです。

  1. VPS契約する
  2. kusanagiをインストールする
  3. wordpressをインストールする
  4. サーバーに秘密鍵を設定する
  5. サーバーのrootログインを禁止する
  6. firewallを設定
  7. wordpressをごにょごにょする
  8. 管理画面をセキュリティ強化する
  9. WordPressのバックアップを自動バックアップとして設定する
  10. サーバー監視をする

kusanagiや秘密鍵など突然見慣れない言葉が出てきたかもしれませんが、詳細は改めて説明します。

×
このブログを書いてる人
早川 朋孝 EC専門のSE
IT業界歴20年のエンジニアです。ネットショップ勤務で苦労した経験から、EC・ネットショップ事業者に向けて、バックオフィス業務の自動化・効率化を提案するSEをしています。
プロフィール
API連携の相談にのります
PAGE TOP