CentOS7にPython3系を初めてインストールしたいという人に向けて、その手順を紹介する。こういった作業には暗黙の了解がたくさんあるので、まずはそれを少しでも共有しておこう。
- CentOS7には標準でPython2.7.5が入っている
- 一つの環境にPython2系と3系を共存させることができる
- ある環境内におけるPython自体をバージョンアップする方法と、その環境内でPythonの仮想環境を構築する方法の2通りがある
- pipでPythonライブラリーを管理する
- そのpipもPython2系と3系で違いがある
- Python2系と3系はまったく別物というくらいの違いがある。2系で動いているアプリを、仕様を知らずに3系にバージョンアップするとそのアプリの命は終わる
留意点はだいたいこんなところだろうか。どの方法をとるかは目的による。どの方法が一番いいとか悪いというのはない。この記事では環境におけるPython自体をバージョンアップする方法を紹介しよう。
まずはPython3を用意する
まずは現環境のpythonのバージョンを確認しよう。さくらVPSのCentOS7系のデフォルトなら、以下のように確認できるはず。
Python 2.7.5
次にPythonをインストールする。ここではwgetを使う。インストールする場所は仮に/home/adminとしよう。
>> /home/admin/
$ tar xzf Python-3.7.4.tgz
$ cd Python-3.7.4
$ ./configure –enable-shared
$ make
$ sudo make install
$ sudo sh -c “echo ‘/usr/local/lib’ > /etc/ld.so.conf.d/custom_python3.conf”
$ sudo ldconfig
以上でインストールは完了だが、まだ続きがある。とりあえずこの時点でのPythonのインストール場所を確認する。状況確認は大事だ。
/bin/python
$ which python3
/bin/python3
$ python3 –version
Python 3.6.8
$ which pip3
bin/pip3
次にpipをバージョンアップする。これも大事です。pipをバージョンアップしないと、ライブラリーをうまくインストールできない場合がある。そういう面倒な問題を回避するのにpipをバージョンアップする。
$pip3 –version
以上は/home/admin/Python-3.7.4で実施した作業なのだが、以下のようにPythonのコマンドを打つとまだ2.7.5である。これはどういうことだろうか。
Python 2.7.5
それは再び登場するこのコマンドで理解できる。つまりpythonとpython3とでは別のコマンドなのである。このまま使うことももちろん可能である。しかし、いちいちpython3と入力するのは面倒というか、しっくりこないという人もいるだろう。
Python 3.6.8
この問題を回避するために環境変数に登場してもらおう。
>> /home/admin
$vi .bashrc
.bashrcの中に以下のようなコメントの箇所があるので、その下にaliasを記述する。
# User specific aliases and functions
alias python=’/usr/bin/python3′
以上でpython3と打たなくても、pythonと打つだけでpython3が実行されるようになる。なおタイトルにCentos7と書いたが、Centos6でもやることは変わらないことを付け加えておく。