目次
- ひとさらのカレーライスを存分に楽しむ
- カレーライスはフォークで食べるかスプーンで食べるか?
ひとさらのカレーライスを存分に楽しむ
このカレーには豚肉のフリットがのっている。写真を見れば分かる通り3つの要素があるのが分かる。
- カレー
- ご飯
- フリット
私は食いしん坊なので、この一皿をいかに美味しく食べるか考えながら食べる。このカレーについては以下のような感じです。
豚バラはフリットなので、まずはそれだけで揚げたてを大至急食べたい。揚げたてをカレーにつけるのは論外。だって汁っぽくなって衣のサクサク感が消えてしまうでしょ。そしたら揚げものの意味がない。こう書くと、それだけじゃ味がしないとか言ってくる人がいそうだけど、まっとうな店ならカレーのうえに乗っける要素にも下味をちゃんとつけてます。というわけで、まずは揚げたてを堪能する。揚げたての美味しさは一瞬でしかないから、なによりも最優先する。仕事の電話がかかってきても出ない。
そして揚げたてのサクサクを存分に楽しんだ後は、カレーにつけて食べる。う、うまい。これはこれでうまいのだ。注意すべきは揚げものをカレーにつけたら0.1秒以内に食べないと、やっぱりサクサク感が消えてしまうから、刹那で口に運ばないといけない。それともうひとつ。調子にのってカレーをつけ過ぎてしまうとカレーの味しかしないから注意が必要。けっこう繊細な作業だ。
そして、そのあとにフリットにカレーにつけて、ご飯も一緒に食べる。この時もバランスに注意しないと、いずれかの味だけが際立ってしまう。一緒に食べるからにはそれぞれのおかずが調和した状態で食べないと意味がない。豚肉の脂にカレーの風味が加わって、ちょっと多い脂をご飯が中和する。これが望むべき姿なのだ。
初めは各要素だけで食べて、少しずつ別の要素を加えて複雑にしていく。たった一皿の宇宙の中で細かい試行錯誤を繰り返しながら、ベストの配分を見つけるべく微調整をして、最後に桃源郷の一口に至る。冒頭に書いた「一皿をいかに美味しく食べるか考えながら食べる」っていうのは、こういうことなのです。
試行錯誤の過程で特定の要素だけを食べすぎてしまうと桃源郷を見つけられないかもしれないから、繰り返しにはなるけど、配分には注意しないといけない。
ではここで、3つの要素があるカレーの考えられる組み合わせを列挙してみよう。組み合わせがわかる樹形図です。
- カレーだけで食べる
- ご飯だけで食べる
- フリットだけで食べる
- カレーとご飯で食べる
- カレーとフリットで食べる
- ご飯とフリットで食べる
- 3つ一緒に食べる
と、3つの要素だけで7通りの組み合わせがあり、そこに量を踏まえた配分まで考えたら、数学的に見れば、組み合わせは無数にある。カレーライス一つとってもこんな複雑なことを考えながらも、冷めないうちに大至急食べないと美味しさが損なわれてしまうから、食いしん坊もけっこう大変なんです。食べ物に興味がない人は何も考えずただ食べるだけだろうけど、食いしん坊はカレーを食べる時にこれだけ頭を使っているのです。食べ物に興味のない人が羨ましい。
カレーライスはフォークで食べるかスプーンで食べるか?
ちなみにカレーライスはフォークで食べます。ライスである以上フォークなのです、絶対に。カレーライスはあくまでライス。スープじゃないから、スプーンで食べるなんてありえない。ま、他の人がスプーンで食べるのはご自由にどうぞって感じですが。
カレーをフォークで食べるのには一長一短がある。
- 長所:ゆっくり食べることになるので味わえる、消化もいい。
- 短所:食べるのに時間がかかるので最後のほうはカレーが冷めてしまう
- 短所:食べるのに時間がかかる
- 長所:カレーをスプーンで食べるというお子様っぽい行為に対して、意味のない優越感を味わえる(かもしれない)
- 短所:スプーンだとカレーが乗り過ぎてしまい、繊細な配分がきかない
でも、もし自分がカレー屋の店長だったら、席の回転をよくするためにカレーのときはスプーンしか出さないけどね。