ウェブサイトのリニューアルやCMSのリプレイスなどで注意すべき点を挙げる。注意すべき点はSEO絡みのことだ。元のサイトのSEOの順位が高い場合、システムのリプレイスで順位が下がってしまってはクレームになりかねない。したがって細心の配慮が必要となる。
以下に書く内容はウェブ制作のエンジニアなどであれば当然のごとく理解していることだが、営業とかWebディレクターは知らない人も多い。特に「UA?なにそれ、美味しいの?」というレベルの人は案件のトラブルに巻き込まれたくなければ、率先して知っておくべきだろう。
URLは変えない
あるキーワードに対する検索順位は一つ一つのURLに付される。だからURLを変えてはいけない。これは絶対だ。もしやむを得ない事情でURLを変更せざるを得ない場合は、ウェブサーバーの機能を使って301で転送するのが最善の策だろう。301のリダイレクトはpermanentであるため、そのリダイレクトが永続的なものであることを意味する。これなら安全だろう。
そして間違ってもmetaタグ、JavaScriptやその他サーバーサイドの技術で転送してはいけない。せっかくの順位が失われる可能性があある。
titleタグ description 本文は変えない
言うまでもないがコンテンツを変更してはならない。特にtitleタグの変更は厳禁だ。よかれと思って変更してそのページの順位が下がると、取り返しがつかないかもしれない。必要があり変更する場合は、順位が下がる前提で変更するといいだろう。つまりサイト運営者に事前によく説明しておくことだ。
速度の悪化に注意
こんなケースはあまりないとは思いたいが、移行先のシステムが元サイトより動作が鈍く表示が遅い場合、絶対クレームになる。これはSEOうんぬんは関係なく、とにかくウェブサイトの表示が遅いなどは絶対悪と言っていい。
元が静的なHTMLでさくらのレンタルサーバーで運用し、移行先が腕の悪いエンジニアによるWordPress等の場合は、元より遅くなる可能性はある。発注側は「今のウェブサイトより表示速度が遅くならない」などを契約条件にいれたほうがいいだろうが、さくらのレンタルサーバーで運用する人がそこまでリテラシーが高いはずもなく、表面化しないだけでウェブ業界にはこういった事例はけっこうあると思われる。
スマホサイトに留意
いまどきはモバイルファーストで、スマホ向けサイトの内容がSEOの判断基準となる。従って移行元のウェブサイトがどういう方式でスマホ対応しているか、よく確認する必要がある。レスポンシブが主流だからといってどのサイトでもレスポンシブとは限らない。UserAgentで判定して、PCとスマホを分けているかもしれない。特にスマホ利用層を主な客層としているウェブサイトであれば、UA判定している可能性は十分にある。これを見積もり時に見誤ると、もめ事の種となるので慎重な見極めが求められる。
タグ構造はどうすべきか
タグ構造によってGoole検索のオーガニックSEOで順位を上がったり下がったりすることはないことは、こちらの記事SEO効果がいちばん高くなるHTMLの書き方・タグの使い方を教えてくださいを読めば理解できるだろう。元のサイトと新しいウェブサイトの間でタグ構造の変化はあまり気にする必要はない。一般的なHTMLのコーディングルールに従って、シンプルな記述をすればいい。