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給与未払いなのに取引先にはお中元、見栄っ張りなSES会社の社長の末路

早川朋孝 早川朋孝
EC専門のSE

上記のツイートが思いがけず受けが良かったので、前後関係も含めてまとめました。ただ、なんせ昔の話なので多少おかしいところがあるかもしれませんが、記憶に基づくものなのでご容赦ください。

目次

  1. オフィスがないSES会社
  2. リーマンで給与未払い、それでも取引先にお中元を送る
  3. 海外に逃げた社長

オフィスがないSES会社

その会社はオフィスがなかった。社員全員が他社に常駐しているからだ。当時はSESなんて用語はなかったけど、典型的なSES会社でした。SESといってもエンジニアは一人もいなかった。ただのテスト作業員です。社員全員が文系だったし。常駐先では他の「協力会社」は帰社日という名目のよくわからない休みがあったけど、その会社は帰社日がなかった。だって帰るオフィスないから。

その会社は何年たっても相変わらずオフィスがないまま。社長は「うちはオフィス不要な会社だから」と意味不明なことを言っていたけど、ある時からなんとなく羽振りがいいなぁと思うことが増えてきた。いわゆるブランドもののスーツやベルト、カバンを持つようになって、カードもAMEXのプラチナだった。オフィス費用も払えないのにどこにそんな金があるんだ、っていうのが素直な疑問です。

社員にそんな疑問を持たれているのに関わらず、相変わらず社長はオフィスはないが羽振りがいい状態が続く。「銀行からうちの会社に融資されてくれって営業電話がすごいんだよね」と言って会社の健全な経営状況をアピールしてた。「借りればいいのでは?」と言うと、「借金経営はしない」とのこと。ま、別に無理して銀行に借金する必要はないからいいのだけど。当時のその社長はいかに自分を大きく見せるかに全力を傾けるタイプの人でした。今思えばバカそのものです。

この頃になると社長に対してだいぶ不信感が募っていました。相変わらずオフィスはない。そんな時、リーマンショックが起きました。

リーマンで給与未払い、それでも取引先にお中元を送る

その会社はオフィスがなく社員全員が他社常駐なので、普段社長が何をしているのか全然分かりません。結論から言うと、社長は遊びまくりでした。会社の営業日にビジネスクラスで海外旅行に行ったり、ベンツのEクラスを乗り回したりと相当遊んでいたみたいです。リーマンショックが進んでいたのに呑気なものです。

リーマンショックって、起きたからといっていきなり1万円の価値が100円になったりするわけじゃない。最初はあまり気にしなかったのです。やがてリーマンの影響が大きいと世間が騒がしくなったときも、社長は相変わらず遊んでました。そんなとき事件は起きました。ある一社からその会社に対する支払いが滞ったのです。たった一社、たった一回です。でもダメでした。それで会社のキャシュフローは完全に崩壊し、何の連絡もなく社員は給与未払いとなりました。

翌月の給料は出ましたが、それが最後でした。その給料は社長がクレジットカードのキャッシング枠で用意したものだったみたいです、多分ですが。明らかに羽振りが良かった社長が豹変したので、「前言ってた銀行に借りたらどうですか」と言うと、「状況が変わって融資してもらえない」とのこと。銀行からの営業がそんなに変わるものなのか?と疑問に思いましたが、そもそも銀行から融資話など最初からなかったのかもしれない。今となっては何も分かりませんし、どうでもいいことです。それでも取引先にお中元だけはしっかりおくってましたけどね。

その時の彼の姿は今思い出すだけでも痛々しい。憔悴し覇気がなく「30万円貸して」と社員に言ってくる始末。お前さんざん遊んで会社に内部留保を一円も残さず見栄はっておきながら何言ってるんだよ、って感じです。バカにつける薬はないもので、リーマンショックが起きて会社がそんな状況なのに、虎ノ門のタワーマンションを購入しようとしていました。

海外に逃げた社長

2回目の未払い以降は会社は雲散霧消です。オフィスがないので文句を言う場所もない。オフィスがないのはこのためだったのではないかと思ってしまう。社長自身も客先に常駐するくらいの気構えを見せていれば給与未払いでも許せたかもしれないけど、社長はスキルはなく口上手なだけでした。今思えば常駐したくてもスキルがなくてできなかったのでしょう。本物の詐欺師です。最後は海外に逃げました。

その後彼がどうなったのかは知りません。その会社のウェブサイトはまだあるらしいですが、社長が海外に逃げた頃の日付で更新が止まってるみたいです。会社が実際にあるかは不明ですが、元からオフィスすらない会社なので、そもそもなかったの同じようなものです。虚構だけで構築された社長と会社、冗談みたいですが実話です。

何の経験もスキルもないやつが起業しても他人に迷惑かけるだけ。

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このブログを書いてる人
早川 朋孝 EC専門のSE
IT業界歴20年のエンジニアです。ネットショップ勤務で苦労した経験から、EC・ネットショップ事業者に向けて、バックオフィス業務の自動化・効率化を提案するSEをしています。
Web運用の経験もあり、アクセス解析、広告運用が得意で、広告APIとプログラムとの合わせ技で並の広告代理店にはできない提案が可能です。
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趣味は読書、ピアノ、マリノスの応援など
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