Webは用いる人のリテラシーで決まる 文学部卒・30代でエンジニアに転向した私の業界裏話や技術ノート
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「OSの再インストールから勝手にやってくれ」 さくらVPS利用にあたっての注意点を実体験に基づいて整理したエンジニア向け

早川朋孝 早川朋孝
文学部卒のエンジニア
業界15年
ウェブ運用

さくらインターネットのさくらVPSを使うにはそれなりの注意が必要である。さくらVPSは安価かつ定額でルート権限のサーバーを利用できるので非常にコスパの高いサービスではあるが、気軽に使えるからといってサーバー管理や運用をしたことのない人が安易に使っていると、いざ障害が発生した際にそれなりに痛い目を見る可能性がある。ここではその注意点について整理する。

以下のようなメールがさくらインターネットから届いたことがある。まずは以下のメールを読んで欲しい。

ご利用中のさくらのVPSサービスについて

平素よりさくらインターネットをご利用いただき、誠にありがとうございます。

お客様にご利用いただいております「さくらのVPS」ホストサーバにおいて、ハード
ウェアの不具合が発生したため、以下の緊急メンテナンスを実施いたしました。

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

障害期間 : 2018年09月28日03時00分 – 2018年09月28日12時10分
影響範囲 : さくらのVPSの一部
作業内容 : ホストサーバ再起動作業
障害内容 : VPSに接続できなくなる障害が発生しました。
障害によりお客様ご利用のVPSに意図しない
再起動が発生しました。
【障害発生・緊急メンテナンス】
https://help.sakura.ad.jp/maint/24926/

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

緊急メンテナンスにつきましては 12時10分頃に完了いたしました。

しかしながら、ハードウェア不具合の影響によりデータの不整合が発生したため、
お客様ご利用中の「さくらのVPS」が正常に起動しない、または起動はするものの
アプリケーションなどが正常に動作しない可能性がございます。
ご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございません。

「さくらのVPS」が正常に動作しない場合は、大変お手数をお掛けいたしますが、
お客様にて取得されているバックアップデータから復旧いただくか、OS再インストール
にて復旧いただきますよう、お願い申し上げます。
なお、「2018年9月18日 - 9月19日」に取得したデータとなりますが、弊社にて
保持しておりますバックアップデータからの書き戻し作業を承ることも可能でございます。

当該のバックアップデータからの書き戻し作業を希望される場合は、恐れ入りますが
以下のテンプレートをご利用いただき、本メールの返信にてお知らせくださいます
ようお願いいたします。
==================== 返信用テンプレート ====================
データの書き戻しを希望される場合は以下の[ ]括弧内に〇をご記入のうえ
本メールへの返信をお願いいたします。

[  ] 注意事項を了承し、データ書き戻しを希望する
[1] 会員ID :xxxxxxxxxxx
[2] 対象IPアドレス :xxxxxxxxxxx
[3] 作業内容 :お客様VM書き戻し
==============================================================
【注意事項】
————————————————————–
・本障害に関する書き戻し依頼の受付期間
- 2018年09月28日(金) - 2018年10月5日(金) 15:00まで

・書き戻し作業はご依頼をいただいたお客様から順に実施いたしますため
作業時間帯を指定いただくことはできかねます。
・バックアップデータの書き戻しを行った場合もお客様仮想サーバの
起動を確約することはできかねます。
・弊社バックアップデータから復旧を行った場合、現在サーバ内にある
データは全て削除されます。あらかじめ、ご了承ください。
————————————————————–
この度はお客様に大変ご迷惑をお掛けしましたこと、深くお詫び申し上げます。

ご不明な点やご質問等ございましたら、本メール返信にてお問い合わせください。

どうだろう、かなり高飛車なメールであることは一瞥して分かると思う。メール読み飛ばした人のために要点をまとめると以下のようになる。ちなみに私が該当サーバーを確認したときは起動すらできない状態であった。

  • さくらVPSでハードウェアが原因の障害が発生しました。今あなたの契約しているサーバーは動いてないよ
  • サーバーにOSを再インストールするところからあなたで勝手にやってね
  • それができない場合、一応我々でも10日前のデータがあるからそれに戻せないかやってみるけど、もどらない可能性もあるからその場合はごめんね。
  • 10日前のデータに戻すのを希望する場合は期限内に連絡ちょうだい。
  • ぼくたちの不手際でデータ消しちゃったけど10日前から今までの間のデータはどうやっても復元できないんだ、ごめんね。

想像してみ欲しいのだが、実際に自分で利用中のサーバー運用会社からこんなメールが突然きたら、それなりに怒るでしょう。内部の人が仕事が嫌になって自暴自棄でいやがらせでもしたんじゃないかな、と思うレベル。もちろん安価なサービスなので高望みはできないし、こういったトラブルに備えて一連の利用規約がある。それを承諾しないと契約できないため、利用者としてはサービス事業者に文句を言うのは難しい。というか文句を言っても意味が無い。もし自分で復旧できない場合であっても、バックアップをとっていない利用者が悪いのである。

さずかにこのクラスの障害が発生することは滅多にないが、いざというときに備えてのバックアップは必須である。サーバーの用土によっては毎日バックアップとらないといけないけど、その管理費や保存するディスクのコスト代がかさむだろうから、もしその負担があまりに大きい場合は、無理してさくらVPSを使う必要はない。いくら安いサービスであってもデメリットのほうが大きいのなら、別のサーバー利用を検討したほうがいいだろう。

私のさくらVPSバックアップ体制

  • 月1回程度、定期的にディスクイメージを作成してローカルや外部メディアに保存する
  • SQLなどやログなどの更新頻度の多いデータまわりはスクリプトを組んで毎日保存し、取得する

あくまで一例だが、私はさくらVPSを上記のような体制にして利用している。もちろんサーバーの用途によるが、最低限これくらいはしておかないと安心してVPSを使えないし、この体制を自分や社内で簡単に構築できないようならば、安いというメリットをリスクというデメリットが上回る可能性がある。さくらVPSに限らず、サーバーを使う際にはバックアップ体制を必ず運用コストに事前に組み込んで利用するのことが肝要です。

参考までにディスクイメージを利用してOSごとバックアップする方法を別の記事にまとめてあるので、紹介しておきます。

このブログを書いてる人
早川 朋孝

業界15年のウェブエンジニアです。文学部卒で20代はSEO、アクセス解析などフロントの運用を中心に経験しましたが、30代のある時、ひょんなことから一人情シスのような状況を経験することになり、流れでそのままエンジニアに転向しました。プログラムやサーバー管理、数学の勉強などをしなおして、いまではWebのことはフロントからバックエンドまでなんでもできます。

本が好きで月140時間は読書します。このブログではWeb業界で経験してきた業界の裏側、読書で学んだこと、技術ノートなどを書きます。ネコ好きなタバコ嫌いで、明治学院フランス文学科卒。

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