「正月太りしちゃったよ、どうしよう」というあなた、春の七草のおかゆを食べて痩せようなどと考えていませんか。いやいや、おかゆも白米を使えば立派な糖質で、摂取すれば体内で糖に変換される。つまり砂糖を口にするのと似たようなものです。おかゆが体にいいなんて幻想ですよ。無理に食事制限してもリバウンドしては意味ないし、単に体重が落ちるだけでは健康とは限らない。どうせなら健康に正月前の体に戻したいですよね。
この記事ではそんなわがままなあなたに、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』と個人的な経験に基づいて健康的にやせる方法をお伝えします。この通りにすれば確実にやせます。やるかやらないかはあなた次第。では最初にその方法を書いちゃいます。
- 決まった時間に食べる
- 決まった量を食べる
- 適度に運動する
- 食べる順番に気を配る
- 体にいいものを食べる
以上、これだけで絶対にやせます。程度にもよりますが、正月太り程度なら1〜2週間もすれば元に戻るでしょう。では、各項目について詳細を説明します。
決まった時間に食べる
決まった時間に食べるのは大事です。朝7時に食べる、昼12時に食べる、夜は18時に食べる、のようにできるだけ決まった時間に食べます。ズレが少ないほといいです。ただし、決まった時間であっても寝る直前に食べるのはNGです。決まった時間に1日5回食べるのもNGです。
決まった量を食べる
これは痩せるにあたって最重要です。決まった量を食べる。大事なのでもう一度書きます。決まった量を食べる。今日はお腹が空いてるから昨日より二皿多い、明日は今日より一皿少ない、明後日は新米を炊くからご飯をお代わりしちゃう、こういう量にムラのある食べ方は絶対NGです。決まった量を食べることです。もちろん決まった量そのものがカロリー過多の場合は無意味です。それと何を食べるかも大事ですが、それはまた別の項目で書きます。
適度に運動する
当然運動は大事です。健全な代謝は運動をしないと生まれないです。筋トレでもウォーキングでもランニングでもいいです。最低限体を動かしましょう。普段全然運動しない人には本格的な運動はハードルが高いだろうから、まずは簡単な運動からでもいいので、必ず運動はしましょう。ただし、運動だけでは痩せられません。私は正月休み中は2日おきに7〜10kmは走っていましたが、それでも正月太りしました。運動だけでは痩せられません。この点には注意してください。
食べる順番に気を配る
これは消化のいいものから食べましょうということです。空腹でいざ食事をするときに、パンとか米などの炭水化物から食べ始めると、糖質を全部吸収してしまいます。そりゃ太るわってことです。食事は野菜から始めるのが鉄則。その後、順番に炭水化物→肉のように消化に時間のかかるものを後に食べるようにします。
体にいいものを食べる
さて、この項目は決まった量を食べるのと同じくらい大事です。この項目については『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』をベースに案内します。この本のなにがすごいかというと科学的な姿勢を徹底していることです。食事に関して医師や栄養士が正しいとは限らないと書いてあり、そこまで著者が言い切るのはエビデンスに基づいた自信があるからでしょう。本書では一般に信じられている多くの健康神話、例えば和食は体にいいとか、納豆は毎日食べるほうがいいとか、牛乳やヨーグルトなどの乳製品が健康になるとか、いろいろな神話があるけど、そういったものに対して「ちょっと待って、本当にそうかな?」と神話の盲信に警鐘を鳴らします。納豆に関しては、健康にいいというエビデンスがなく「いいかもしれないけど、本当に体にいいかどうか分からない」そうです。
そんな数多くの健康神話の中で、エビデンスに基づいた確実に体にいいものはなにか、それが本書の中核です。以下に引用します。
数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品は、①魚、②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいものは含まない)、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類の5つである。逆に健康に悪いと考えられているのは、①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)、②白い炭水化物、③バターなどの飽和脂肪酸の3つである。
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 p28
これを読めば分かる通り、決まった量の食事を取るのであっても、体に悪いものをとっては意味がない。決まった量の体にいいものを摂取するのが大事です。また、もう一つ大事な点があります。それはサプリなどの栄養分だけを摂取しても意味がなく、あくまで食物から栄養を摂取する必要があるということです。これについては福岡伸一さんの『動的平衡』の説明が大変分かりやすいです。これも引用するので熟読してください。
もし、皮膚がコラーゲンを作りだしたいときは、皮膚の細胞が血液中のアミノ酸を取り込んで必要量を合成するだけ。コラーゲン、あるいはそれを低分子化したものをいくら摂っても、それは体内のコラーゲンを補給することにはなりえないのである。
食べ物として摂取したタンパク質が、身体のどこかに届けられ、そこで不足するタンパク質を補う、という考え方はあまりに素人的な生命観である。
それは生命をミクロな部品からなるプラモデルのように捉える、ある意味ナイーブすぎる議論でもある。生命はそのような単純な機械論をはるかに超えた、いわば動的な効果として存在しているのである。
これと同じ構造の「健康幻想」は、実は至るところにある。タンパク質に限らず、食べ物が保持していた情報は、消化管内でいったん完膚なきまでに解体されてしまう。
関節が痛いからといって、軟骨の構成材であるコンドロイチン硫酸やヒアウロン酸を摂っても、口から入ったものがそのままダイレクトに身体の一部に取って代わることはありえない。構成単位にまで分解されるか、ヘタをすれば消化されることもなく排泄されてしまうのである。
ついでに言うと、巷間には「コラーゲン配合」の化粧品まで氾濫しているが、コラーゲンが皮膚から吸収されることはありえない。分子生物学者の私としては「コラーゲン配合」と言われても「だから、どうしたの?」としか応えようがない。
動的平衡 p77
テレビの健康番組や雑誌などで「○○は体にいい」のような言説をよく見たり、耳にしたりします。トマトのリコピンが体にいいからと言って、リコピンだけを取り出して摂取しても何も意味がないのです。その理由は上記の引用の通り。我々の体はそんなに自分にだけ都合よくできているわけじゃないのですよ。正月太りを解消するのとは少し話題がそれましたが、大事なことなので書いておきました。
メディアに踊らされるな
多くの人が健康や美容に関心があるため、メディアはそういった話題をよく取り上げます。そして怪しげな「自称専門家」の言説がよく取り上げられます。メディアの人は自称専門家の主張が本当に科学的に正しいかどうかはいちいち検証しません。彼らが関心あるのは視聴率とか発行部数だけです。それをいいことに自称専門家は自分の商売につなげようと根拠のない「○○は体にいい」という主張をたくさんします。私はこういうのをトンデモと呼んでいます。こういうトンデモは、例えば新聞広告に「1日1回○○するだけで健康になれる、○○医師推奨」みたいな形でいくらでも出ています。しかし、そういうのを信じてはいけません。ほとんどがでっちあげです。ちゃんとした信頼した情報源にあたってください。
では、信頼できる情報源とはなにか?それは専門家です。幸い我々にはSNSという優れたツールがあります。多くの人は娯楽にしか使わないでしょうが、科学的姿勢に基づいたその道の専門家でSNSで情報発信している人はたくさんいます。そういう人をフォローして、信頼できる情報源を確保しましょう。参考までに、私がフォローしているTwitterのアカウントを紹介します。
他にもいろいろな専門家がたくさんいます。信頼できるアカウントをたどって、複数の信頼できるアカウントをフォローしていくのがコツです。これこそ有意義なSNSの使い方です。
まとめ
長くなったので正月太りを解消する方法まとめます。
- 米、餅、甘いものは極力食べない。つまり糖質は摂らない。米やパン、麺類を食べるなら茶色いものを摂取する。コスパがいいからとオフィスのランチで毎日カップラーメンばかり食べるなんて最低です。
- おやつはナッツ類を食べろ
- 塩分は控えめにしておく。ごはんと漬物すきな人は要注意
- いくら玄米でも蕎麦でも食べすぎれば太ります
- 筋トレとウォーキングはなるべくする
正月太り解消を軸にいろいろ書きましたが人間は基本的に怠惰です。よほど意志が強くないと実行は難しいでしょう。一気に生活を変えるなんて不可能だから、気軽に試してみてください。『ファスト&スロー』という本を読めば、私たちがいかに怠惰で物事を自分に都合よく解釈する生き物か、よく分かります。興味あれば一読してみてください。