前回の記事さくらVPSのCentOS6系でMondo Rescueを使ったバックアップを作成するは。バックアップの作成だったが、今回はリストアの手順をまとめる。バックアップ作成は簡単だが、リストは癖があって、けっこう難しい。いまどきのサーバー運用は障害があって当然だと思うので、障害が起きることを前提にして、いかにして素早く復元できるかが大事になってくる。そのためにも、mondorescueを使う以上は、リストアを一度自分の環境で練習しておくことをお勧めする。
私が初めてディスクイメージを作成したのが、なんと某上場企業のウェブサーバーのデータが対象だった。ひょんなことから私が対応することになったが、その経緯が面白い。その会社のウェブを管理していた前の業者が技術的な提案力がないため、バックアップもなしにさくらVPSの本番のみで運用するというあぶない橋を渡っていた。引き継いだときは腰をぬかさんばかりに驚いたものた。とはいえ、こんな事例は世の中に他にもたくさんあると思う。そういう課題はコツコツ解決していくしかない。
今回の想定ケース
- メモリ2Gのプランでmondoresucueでディスクイメージを作成し、メモリ1Gのプランで復元する
- 元サーバーの最大ディスク容量は100Gで、ディスクイメージは7G。移行先のサーバーの最大ディスク容量は50G
- リストアはautomaticallyで実行する
CentOS6系でMondo Rescueを使ってリストアする流れ
- ディスクイメージをサーバーにアップする
- コンパネからリストアを実行する
- automaticallyを選択する
- dev/sdaに修正する
- 流れに任せる
- exitでさくらvpsを再起動する
- 移行元の情報でログインする
- eth0とgatewayを書き換える
- 再度にもう一度再起動する
前提として、移行先の/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0の設定を控えておく必要がある。上記のようにリストアに必要となる。または、この情報はさくらVPSのコンパネのネットワーク情報にあるので、そこで確認してもいい。どちらでもOK。
リストアの手順
mondorescueのリストアは対話形式なので、基本的に質問されたことに答えていけばいい。Yes or Noで問われる質問が多く、基本的にはYesを選択すればいいが、内容はちゃんと読んでおこう。
dvd disksを選択する
automaticallyを選択。これが一番楽です。interactivelyはディスクの容量を任意に調整できるようですが、これで設定しても設定した通りにならないことが多いそうです。
/dev/vdaと記述のあるものをすべて/dev/sdaに変更する。
こういう質問はOKでいいが、「you will now be albe to re-generate ~?」と聞かれる質問がある。たいていは不要なのでその質問はNoでいい。Yesにすると、仕様を理解していない人には面倒な設定が待っている。
この画面まできてOKをすれば、あとはコマンドラインでexitを打ち再起動する。ここまでくればほぼ終わったも同然。コンパネから強制再起動すると、数分待つがそのまま待とう。ログイン待機にまで至ればリストア成功だ。
リストアしたサーバーにログインするのは移行元のログイン情報
リストアしたサーバーは、移行元の情報をコピーしたものなのだから、ログインは移行元の情報でログインできる。移行先のルート権限などは無効になっているのでむきになってキーボードを連打してもログインできない。
eth0とgatewayを書き換える
繰り返しになるが、リストアしたサーバーは移行先のサーバーのコピーなので、リストアしたサーバーのIPは移行元の情報がコピーされていてSSH接続できない。移行先のサーバーにログインして #ip aで確認すると、移行元の情報と同じであることが分かる。IPとGatewayを編集しよう。
設定ファイルは上記のpathの通り。詳しくはさくらインターネットのマニュアルに仕様が書いてある。
https://manual.sakura.ad.jp/vps/os-packages/centos7.html
編集の際にキーボードのescは効かないので、上の写真の赤枠にあるescなどでコントロールできる。etcボタンをマウスでクリックすれば、いつものvi操作で編集できる。
編集後に設定を確認して間違いなければ再起動しましょう。以上でリストアは完了!