プログラマーならよく使うパソコンの機能の一つに環境変数というものがある。知らない人からしたら何のこっちゃいと思うだろうが、これが本当に便利なのだ。
オフィスで働く人なら、自分で頻繁に使う内容をメモ帳などに整理しておいてデスクトップに保存しておくくらいはしているだろうが、私くらい横着になるとメモ帳をひらくのすら面倒になる。そういう時に使うのが環境変数だ。Macを使っている人ならターミナルからゴニョゴニョするだけだ。使い方を覚えさえすれば、こんなに便利なものをなぜ今まで使っていなかったのだろう、と絶望感さえ覚えるだろう。
環境変数を扱うのに必要な予備知識
- viを扱える
- コマンドラインに抵抗がない
「vi?何それおいしいの?」という人は検索して勉強してください。少し練習すれば誰でもできるので。「viエディタ」で検索すれば解説ページがいくらでも出てくる。
https://prev.net-newbie.com/linux/commands/vi.html
では、viが抵抗なく使えると仮定して、環境変数の便利な使い方についてざっと説明しよう。まずはMacのターミナルを開いて欲しい。開く際はマウスは使わず、キーボードのみで開きましょう。マウス面倒でしょ。
command と スペースキーでスポットライトを開き、「ターミナル」と入力すればターミナルが出てくる。ターミナルが出てきたら以下のように入力して欲しい。
https://support.apple.com/ja-jp/HT204014
echo $name
「name」という自由につけられる変数に「Linux」という値を設定した。一度これをコンピュータに覚えさせると、次に「echo」というコマンドの後ろにスペースをあけて「$name」とすると「Linux」という値が表示される。
※値にシングルクオーテーションやダブルクオーテーションは不要である。
ここで変数という概念を簡単に説明する。「name」は変数名で「Linux」は変数の値だ。どちらも恣意的に決められる。勘のいい人はすでにお分かりだろう。よく使う内容を値にして、変数として登録するのだ。OSとかATOKなどに見られる辞書登録に近いかもしれない。
ただし、これだけではOSに保存されない。Macをシャットダウンするとこの変数は消えてしまう。そこで環境変数の出番である。ターミナルでユーザー名直下で以下のようにうつと、.から始まる隠しファイルが表示される。
その中に「.bash_profile」というファイルがあるはずだ。このファイルを編集しよう。記述は以下のようにする。もしファイルがなければ検索する場所が違っていることになるので別の場所を探そう。
export name
ちなみに初めてこのファイルを編集するという人はちゃんとファイルのバックアップをとっておこう。いきなり編集するなんて強者過ぎるから。なおviでファイルを編集しない便利な方法も別にあるが、ここでは紹介しない。その方法で設定をミスると結局viでの編集が必要となるからだ。環境変数を設定するに際して、viを知らずに済ますのは現実的に難しい。
最後に記述したファイルの設定を有効にするために上記のようにコマンドを打つ。再起動しても同じ効果が得られるが、面倒なので上記コマンドで済ます。上記は.bash_profileと同じ階層にいる前提である。違う階層の場合は//Users/ユーザー名/.bash_profileのように絶対パスで記述する必要がある。
これで環境変数に設定したコマンドが呼び出せる。私はMacにはよく接続するサーバーのssh接続のコマンドを登録している。また接続先のサーバーではDBに接続するコマンドを登録している。楽ちんです。
今回はMacを例にしたが、Windowsでも当然同じことはできる。検索すれば記事はいくらでも出てくるだろう。