ウェブは用いる人のリテラシーで決まる 月140時間の読書・新聞三紙の書評・有料メルマガから社会人に有益な本を紹介
Twitter Facebook
TOP >> ウェブは用いる人のリテラシーで決まる>>

書評>ノン・フィクション

ショッピングモールとして大成功しているラゾーナ川崎によく行く人も多いでしょう。でもラゾーナは川崎の本当の姿じゃないです。本当の川崎はもっとすごい。もっとダーク。ディープな川崎を知りたいなら、うってつけの本があります。それは『ルポ 川崎』です。こういう本を読むと、電車でオフィスに通って仕事をしているだけだと絶対に気づかない現実を知ることができます。

『ルポ西成』を読むと世の中の広さをつくづく感じる。東京やその他都市部にいてオフィスワークしているだけでは一生知らない世界が広がってる。でも、考えれば戦後の日本はみんなこんな感じだったわけでしょ。誰だって突然困窮する可能性はあるわけで、困窮した後の生活がどんなものなのか、本書で追体験をするのは悪くない。

外食でアワビを喜んで食べているあなた、豊洲でアワビを買っているあなた、そのお金の半分が暴力団のシノギになっていると知ったら、どうしますか。

1980年9月18日に発生したダマスカス事件は偶然にも核爆発を免れた。核弾頭はミサイルの爆発で200メートル吹っ飛び、たまたま安全装置が機能して核分裂はしなかった。これは本当にただの幸運が重なったにすぎなかったのだ。ダマスカス事件だけではない。他にも無数の「たまたま、運良く核兵器が爆発しなかった事例」を本書は紹介する。本書を読めば核の安全神話はただの錯覚だと分かる。原発推進派が読めば考えが変わるかもしれない。驚愕のノン・フィクションに戦慄します。

中世の残滓がある1858年のイタリアはボローニャで、一人のユダヤ人の男の子が警察に誘拐された。命令したのは教皇ピウス9世。理由はその男の子が洗礼を授けられたから。誘拐された子の両親は子供を取り戻すためにロビー活動を始める。

私たち人間はグローバル化を引き起こし、かつて個別に存在していた生態系を破壊してしまった。外来種としての人間が猛威をふるった結果、各地域の辺縁性がはぎ取られ生態系は壊されてしまった。かつて1000年に一種程度だった絶滅は、今は毎年推定4万種が絶滅している。このような状況はかつて地球が経験したことがなく、人新世(アントロポセン)と呼ばれている。

謎の遭難事件として名高いディアトロフ峠遭難の真実に迫ったノンフィクション。極寒のウラル山脈でテントを捨てた結果、登山経験豊富な9名からなる若い登山チーム全員が命を落とした。事件にはまった著者は私財を投じて真相に迫り、一人の生存者がいることを知る。

一介のチンピラだった男が自分の演説の才能に気づき聴衆を魅了し、やがて一揆を起こすが失敗し、ユダヤ人への憎悪を募らせながら一冊の本を書く。運や偶然に恵まれた彼はわずか6か月で仮釈放され、短期で政治の世界に復帰しやがて権力を握る。本書を読むことで、ポピュリズムのもつ危険性に触れることができる。

あなたは中国の辺境と聞くと、どういうイメージを抱くだろう?広大な中国の「辺境」一口に言ってもその表情は実に様々で、本書は英国人ジャーナリストが新疆、チベット、雲南、東北部という中国の辺境を旅して記録した渾身のルポルタージュ。大都会にいると決して味わえない大冒険を一冊の書物で追体験できちゃうお得な本です。

広告代理店勤務の総務部長はある金曜日、「これからは女として生きる」と社内メールを一斉配信。それ以降は近所のトランクルームで女になってから出勤するという二重生活を始める。本書は著者の体験を元にしたノン・フィクションで多様なトランスジェンダーの世界を追体験できる良書だ。

1 2 next

更新情報を受け取れます

早川朋孝

仕事の合間に月140時間ほど読書します。新聞は三紙、他に有料メルマガなどを購読し色々な本に目を通しています。このブログではその中から、ビジネスに直接あるいは間接的に役立つ本を紹介します。忙しい社会人はこれだけ読めばOKというブログを目指します。

仕事は業界15年のウェブ運用の専門家で、文系出身ですがシステムの提案やデータ分析をしています。ネコ好きなタバコ嫌いで反トンデモ。明治学院フランス文学科卒。