書評・読書ノート
2021年1月に読んで面白かった5冊を紹介 一般向け

1月に読んで面白かったのは『自分の頭で考える日本の論点』『見抜く力』『AI時代に生きる数学力の鍛え方』『世界の住所の物語』『ユーザーフレンドリー全史』の5冊。結果的に日本の教育に強い危機感を持つ人の書いた本が多かった。
続きを読むブルドッグが苦しそうに呼吸をする理由がわかる『純血種という病 商品化される犬とペット産業の暗い歴史』 一般向け

レトリバーもシェパードもブルドッグもチワワも、全ての犬は雑種である。どんな犬種も特定の特徴を出すために恣意的に近親交配を繰り返されたにすぎない。その結果、純血種と呼ばれる犬は遺伝的多様性のないひ弱な犬として生きていくしかない。犬好きを自認するなら必読の書。
続きを読む本村凌二著『教養としてのローマ史の読み方』イタリアに旅行するなら読んどき 一般向け

古代ローマ時代にはばりばり働きたい人もいれば、自分個人の時間を大事にしたい人もいた。そういう人同士の論争もあった。まるで働き方改革で揺れる今の日本を見ているようだけど、今から約2000年も前のことです。
続きを読む『沈黙の春』レイチェル・カーソン著 改めて読んだら伝え方が巧みすぎてまいった 一般向け

レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を改めて読んだのだが、やはり古典といわれるだけあって文章が素晴らしい。著者は本当はもっと人間の悪行に対して悪態をつきたいのだろうけど、極めて冷静な筆の運びを維持し、それによって文章の説得力が増している。そこに詩情も加わり著者のメッセージ自体はすっと読む人の心に入ってくる。これを読むことで伝え方の勉強にもなるだろう。
続きを読む10連休に読んだ本をざっくり紹介します 一般向け
一番好きなのはネコだけどフクロウに代わるかもしれない。偏執的なフクロウ愛を感じちゃう本『フクロウの家』 一般向け

フクロウ好きのフクロウ好きのためのフクロウ愛に溢れた本。面白いのはもちろんなのだが、本自体がとにかく美しい。『フクロウの家』はフクロウ好きには垂涎だろう。文章はもちろん愛くるしい挿絵などを見ると悶絶する。本書を読むとフクロウ好きな人はさらにフクロウを好きになるだろうし、フクロウ好きでない人はフクロウに関心を持つようになると思う。鳥好き、フクロウ好きな人への贈り物にも最適。
続きを読む「働き方改革?寝言いってんじゃねーよ、ごらぁ!」という人は一読を 熊野英生著『なぜ日本の会社は生産性が低いのか?』 一般向け

『なぜ日本の会社は生産性が低いのか?』は働き方改革をテーマにした新書で、内容がとても充実しています。本書には、ブラック企業、ワンオペ、イノベーション、高齢化社会、グローバルニッチ、そもそも生産性とは何か、だめな上司とはどういう上司か、などの働く人にとって興味深いトピックが多く並んでいます。会社で人前で話す人、営業の人などはネタとして仕入れておくのも悪くないでしょう。
続きを読むいやいや残業してる人はとりあえず読んどけ 朱野帰子著『わたし、定時で帰ります。』 一般向け

『わたし、定時で帰ります。』は労働問題を題材にしたなかなか秀逸な小説です。定時で帰るというテーマを、定時で帰りたい労働者の視点から、あるいはワーカホリックな観点から、または経営者の立場から見ることができます。普段長時間労働でいっぱいいっぱいの人や、あるいは働き方改革のために労働環境を是正している管理者や経営者の方はこういう小説を読むことで自分とは違う立場の人がどう考えているのか、考えるきっかけになると思います。
続きを読む一橋大卒のエリートがバブル期の銀行でどんな苦労をしたか追体験できる『友情について 僕と豊島昭彦君の44年』 一般向け

『友情について 僕と豊島昭彦君の44年』は読みどころが多い懐の広い作品。ぜひ手にとって読むことをおすすめする。作者の作品にかける想いが強く、読み始めるとすぐひきこまれるので、人によっては3時間もあれば読めるでしょう。
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