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書評・読書

2018年に読んで面白かった本ベスト5

書評・読書 一般向け

今年読んで面白かった本を5冊挙げると『誰もが嘘をついている』、『辺境中国』、『死に山』、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、『核は暴走する』です。他にもいろいろありますがどれもノン・フィクションや歴史が多く小説はないです。そもそも小説はあまり読まないし、読んでも読書ノートを取らないから。来年はもう少し小説を読みます。

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暴力団は濡れ手にアワビで100億円、築地のアワビの半分は密漁品だって。『サカナとヤクザ』

書評・読書 一般向け

外食でアワビを喜んで食べているあなた、豊洲でアワビを買っているあなた、そのお金の半分が暴力団のシノギになっていると知ったら、どうしますか。

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ブラック企業に勤めていて殺されそうと思ったらとりあえず逃げるべし。『戦慄の記録 インパール』から学べること

書評・読書 一般向け

太平洋戦争の最悪の作戦として悪評高い「インパール作戦」をNHKが取材した。反響のあったTV番組を書籍化したもので、情報量がテレビとは全然違う。本書はいろいろな読み方ができると思うけど、ブラック企業で仕事をしていて辛い思いをしている方には特におすすめ。そういう組織にいる限り状況がよくなることはないわけで、逃げるしかないと分かる。

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自分がそうだから言うけど、仏文出身ならこの本は好物でしょ『1913ーー20世紀の夏の季節』

書評・読書 一般向け
1913

1913年は第一次世界大戦の前年。このあまりにインパクトのあった大戦争の前に、人々はどう過ごしていたのか。ベル・エポック、アヴァン・ギャルド、啓蒙主義などこの大戦前の時期を描写する言葉は豊富だ。それだけ魅力的な時代だった。本書は当時の著名人の日常の断片を描写し、1913年という年を描こうとした斬新で意欲的な作品。自分がそうだから言うけど、仏文出身ならこの本は好物でしょ。

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格安サービスを求めるのをやめれば、少しはましな社会になるんじゃない?『底辺への競争』

書評・読書 一般向け
底辺への競争

ここ4年で増大した社会保障費で消費税増税分は消し飛びます。多くの人が快適さばかり求めるからその代償としてサービスを提供する企業の現場にしわ寄せがいっています。際限のない競争は国内だけでなくグローバルに展開していて、このままだとみんなが苦しくなってしまう。そしてその苦しい状態に陥らないための競争が「底辺への競争」です。

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ドラクエの闇の世界の住人の絶望感はこんな感じか?『B.C.1177』

書評・読書 一般向け
B.C.1177

後期青銅器文明は現代にひけをとらないグローバル社会が展開されていた。300年に渡り繁栄を極めた文明は、しかし突然終焉を迎える。この終焉の原因は海の民とされてきた。しかし著者はことはそんなに単純ではないと喝破する。緻密な論考、一本調子でない筆の運び、数多く紹介される古代の碑文など、歴史好き、好奇心の強い人なら誰でも楽しめる一冊。

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「ロマネスク様式?なにそれ美味しいの?」から卒業できる『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』

書評・読書 一般向け

美術館に行って自分以外の人が同じ絵画や彫刻を見てどう感じているのかは分からないけど、その人たちの中には美術品を「見る」のでもなく「感じる」でのもなく「読んでいる」人がいます。本書は西洋美術の通史として読むことで、西洋美術に関する体系的な知識を身に着ける入門書です。高校で世界史をとった人なら読みやすいでしょう。ごりごりのタイトルだけど、それに反してしっかりした内容なので安心して読むことができます。

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核戦争が起きなかったのはぎりぎりの偶然に過ぎない『核は暴走する』

書評・読書 エンジニア向け
核は暴走する

1980年9月18日に発生したダマスカス事件は偶然にも核爆発を免れた。核弾頭はミサイルの爆発で200メートル吹っ飛び、たまたま安全装置が機能して核分裂はしなかった。これは本当にただの幸運が重なったにすぎなかったのだ。ダマスカス事件だけではない。他にも無数の「たまたま、運良く核兵器が爆発しなかった事例」を本書は紹介する。本書を読めば核の安全神話はただの錯覚だと分かる。原発推進派が読めば考えが変わるかもしれない。驚愕のノン・フィクションに戦慄します。

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6歳の子供が警察に誘拐された?19世紀の実話『エドガルド・モルターラ誘拐事件』

書評・読書 一般向け

中世の残滓がある1858年のイタリアはボローニャで、一人のユダヤ人の男の子が警察に誘拐された。命令したのは教皇ピウス9世。理由はその男の子が洗礼を授けられたから。誘拐された子の両親は子供を取り戻すためにロビー活動を始める。

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感動とか自己犠牲を求める風潮に嫌気がさしている人にオススメ『不道徳お母さん講座』

書評・読書 一般向け
不道徳お母さん講座

感動コンテンツの流行も子供に献身する母性幻想も明治・大正期の教育が起源だった。母性幻想は人間の本能に根ざしたわけではないし、日本人が縄文時代から感動コンテンツが好きだったわけではない。どちらも虚構です。それを明らかにした著者の科学的姿勢に共感が持てます。トンデモやエセ科学をかざす人々にはこの科学的姿勢で対抗しましょう。

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